超域思想論Ⅱ
担当者宇多 浩教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [外国語学科 2016年度以前入学]
科目ナンバリングPHE-202

授業の概要(ねらい)

 この授業では、西洋の著名な思想家たちの思想に触れながら、西洋思想についての基礎的な教養を身につけることを目標とします。
 西洋の思想は、古代ギリシア・ローマの時代を起点とし、中世キリスト教・ルネサンス・近代を経て、現代の思想に続いています。西洋思想は西洋文化全体の根幹にあり、西洋文化を知るうえで、西洋思想の知識は欠かすことができません。西洋文化を学ぶための前提として、西洋思想の基礎的な知識を身につけていただきたいと思います。
 授業では、一般向けに書かれた哲学書である『ソフィーの世界』をテキストとして用い、各章に登場する有名な思想家の思想を読み解いていきます(後期は中世~18世紀まで)。西洋の思想を学ぶことが目標ですが、同時に、ソフィーとヒルデの関係、二人の世界の交錯など、物語の生き生きとした展開も楽しんでいただきたいと思います。

授業の到達目標

・西洋の著名な思想家の思想について、その重要用語、基礎概念などを理解している。
・テキストを読みながら、それぞれの思想家の重要な主張を自分の言葉でまとめられる。

成績評価の方法および基準

・平常点(約60%)、中間試験・期末試験(それぞれ約20%)で総合的に評価する予定。
・平常点は、ほぼ毎回使用するワークシートの出来によって評価する。
・原則として、欠席が5回を超えた学生は失格扱いとする。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『ソフィーの世界(新装版)上』ヨースタイン・ゴルデル 著NHK出版
参考文献『「ソフィーの世界」哲学ガイド』須田朗 著NHK出版

準備学修の内容

 この授業では、ほぼ毎回、ワークシートを使用し、テキストの要点をワークシートにまとめる作業をしていただきます。作業は授業中に行うこともありますが、原則として授業外の時間に行うことが基本となります。

その他履修上の注意事項

 西洋思想を初めて学ばれる学生を想定していますので、とくに前提知識は求められていません。しかし、自宅では毎回、次回に扱う章の内容を読んで予習してくることが求められます。哲学・思想に関心のある方の受講を期待しています。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
第2回中世 (1) 中世とは? 中世文化の特徴、アウグスティヌスの思想、
第3回中世 (2) トマス・アクィナスの思想、信仰と理性はどのようにかかわるか? 
第4回ルネサンス (1) ルネサンス文化の特徴、人文主義とは? 新しい人間観
第5回ルネサンス (2) ルネサンス時代の新しい自然観と宇宙観
第6回バロック - バロック文化とは? その特徴と時代背景について、唯物論と観念論
第7回まとめと中間試験
第8回デカルト (1) 合理主義とは? 普遍的懐疑とコギト・エルゴ・スム
第9回デカルト (2)  精神と延長、心身二元論とその問題
第10回スピノザ (1) 「神すなわち自然」とは? 汎神論と一元論
第11回スピノザ (2) 「永遠の相のもとに」見るとは? 自由意志と決定論
第12回イギリス経験論 (1) 経験主義とは? 生得観念は存在するのか? 一次性質・二次性質とは? (ロック)
第13回イギリス経験論 (2) 「偽の観念」にはどのようなものがあるか? 観念の批判的分析(ヒューム)
第14回イギリス経験論 (3) 「存在するとは知覚されること」とは? すべては神のうちにある? (バークリ)
第15回まとめと期末試験