担当者 | 能勢 和宏教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択必修 2単位 [史学科] | |
科目ナンバリング | HEA-405 |
現在のヨーロッパはどのようにして形成されていったのか。ウォーラーステイン『近代世界システムIV』を講読し、理解します。本書は「世界システム論」で知られるウォーラーステインが、19世紀ヨーロッパについて論じた書で、難解ではありますが非常に示唆に富んだ一冊です。受講者はこれから本格的に西洋近現代史を学ぶための出発点として、本授業を通して西洋史の知識を蓄えるだけではなく重厚な学術書の読解力を身につけていきます。
授業は2~3名の受講者によるプレゼンテーションと、受講者全員でのディスカッションですすめます。また補足的に映画等の映像資料を用いて、時代背景について理解を深めます。
学術書を読み抜く経験を得る。
西洋史についての識見を獲得する。
効果的な発表方法を修得する。
担当箇所をレジュメにまとめて報告をする:25%
レポートの提出:25%
議論への積極的な参加姿勢:50%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『近代世界システムIV:中道自由主義の勝利1789-1914』 | イマニュエル・ウォーラーステイン著、川北稔訳 | 名古屋大学出版会 |
参考文献 |
授業で講読する該当箇所を事前に読み込み、不明箇所を明らかにするとともに、自分自身の見解を用意して授業に臨む。
報告担当ではない受講者も、ディスカッションに参加できる準備する。
なお授業で使う書籍は図書館指定図書コーナーに配架されているので、準備学修に用いて下さい。
本を読んでいてわからない箇所があるのは当然のことです。決して恥ずかしいことではありません。教員を含めた受講者全員で疑問を共有し、みんなで理解を深めるような授業にしていきましょう。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス:授業で使用するテキストについて解説し、発表の分担を決める。 |
第2回 | 教員による模擬報告(「序章」、「訳者解説」):レジュメの作り方と「世界システム論」の概要を知る。 |
第3回 | 近代ヨーロッパを舞台とした映画の鑑賞(『レ・ミゼラブル』):19世紀のヨーロッパ社会の状況を視覚的に捉える。 |
第4回 | 第1章「イデオロギーとしての中道自由主義」を読む(前半):自由主義の原則を知る。 |
第5回 | 第1章「イデオロギーとしての中道自由主義」を読む(後半):保守主義・社会主義・自由主義の区別を知る。 |
第6回 | 第2章「自由主義国家の建設」を読む(前半):19世紀前半のイギリス・フランスの変化を知る。 |
第7回 | 第2章「自由主義国家の建設」を読む(後半):19世紀前半に起こった独立運動(ギリシャ・ベルギー・ポーランド・アイルランド)を知る。 |
第8回 | 第3章「自由主義国家と階級闘争」を読む(前半):イギリスを中心とする自由主義体制の形成過程を知る。 |
第9回 | 第3章「自由主義国家と階級闘争」を読む(後半):フランスにおける自由主義の展開を知る。 |
第10回 | 近代ヨーロッパを舞台とした映画の鑑賞(『麦の穂をゆらす風』):イギリスとアイルランドの関係について知る。 |
第11回 | 第4章「自由主義国家の市民」を読む(前半):市民という概念とその形成過程を知る。 |
第12回 | 第4章「自由主義国家の市民」を読む(後半):労働運動・女性運動の発展を知る。 |
第13回 | 第5章「社会科学としての自由主義」を読む(前半):社会科学という学問領域の形成過程を知る。 |
第14回 | 第5章「社会科学としての自由主義」を読む(後半):経済学・社会学・政治学の発展と制度化の経緯を知る。 |
第15回 | まとめ:これまでのテキストを再検討。後期授業の説明。 |