ミクロ経済学Ⅱ
担当者橋本  悟教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [国際経済学科]
科目ナンバリングECT-202

授業の概要(ねらい)

 経済活動は社会の問題を解決する有力な手段の1つである。例えば、昨今の環境問題は企業の技術革新によって解決を試みているケースが多い。また、企業の競争が、技術革新を促し、それが社会的に有益な財を生み、社会全体の発展に繋がっていることも多い。つまり社会を変える原動力の1つに企業活動がある。これを理念として授業を行う。したがって、ビジネスエコノミクスに重点を置き、なるべく具体的な企業活動の例を挙げながら授業を進める予定である。ただし、計算を用いて証明することもあるので、数学の知識も必要である。
 ミクロ経済学Ⅱでは、市場理論、および市場の失敗に重点を置いて講義を行う。

授業の到達目標

 企業活動や市場のメカニズムを理論的に分析する授業である。したがって、経済学の基礎的な知識を身につけて、その知識をベースに企業活動、日本経済、及び世界経済などについて論じられることが最終目標である。
 特にⅡでは独占企業の理論や市場の失敗の分野についての知識が深まり、これらについての議論ができることを希望している。

成績評価の方法および基準

 授業中の課題や宿題など20%、期末試験80%
 試験のウエイトが高いので、しっかりと勉強する必要がある。計算問題も出題される。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書テキストは使用しない。毎回、レジュメを配る。
 
 
教科書
教科書
教科書
参考文献(2014)『ミクロ経済学の力』神取道宏日本評論社
参考文献(2009)『ビジネスエコノミクス原理』ジョセフ・G・ネリス、デビッド・パーカー、岩本明憲、小野晃典訳ピアソンエデュケーション
参考文献(2015)『ミクロ経済学入門』柳川隆・町野和夫・吉野一郎有斐閣アルマ
参考文献(2002)『戦略の経済学』デビッド・デサンコ、奥村昭博ほか訳ダイヤモンド社
参考文献(2018)『ミクロ経済学(第3版)』伊藤元重日本評論社

準備学修の内容

 予習として、新聞や経済誌(日経ビジネスなど)を読み、企業の活動や日本経済の動きに詳しくなっておくこと。復習は授業の際に配ったレジュメを読み返して専門用語を覚えること。またレジュメには簡単な練習問題を載せるのでそれを解くこと。

その他履修上の注意事項

 しっかりと授業を受けて、しっかりと考える必要がある。授業の内容は難しいので、復習をしっかりとすること。なお、不完全競争市場と市場の失敗の部分にやや重点をおいて授業をする予定である。

授業内容

授業内容
第1回 ガイダンス、消費者理論・生産者理論の復習
第2回 市場理論(完全競争市場)完全競争と不完全競争を学習する。
第3回 市場理論(ワルラス・マーシャルの安定性)完全競争市場におけるマーケットメカニズムについて考える。
第4回 市場理論(余剰分析)市場の効率性について検討する。
第5回 市場理論(エッジワースボックス)2財モデルを用いて市場の効率性を考える。
第6回 市場理論(独占市場1)独占市場の均衡を、図を用いて考える。
第7回 市場理論(独占市場2)独占市場の均衡を、計算を用いて考える。
第8回 市場理論(複占市場・寡占市場)さまざまな市場を概観する。
第9回 市場理論(独占的競争市場)寡占市場のさまざまなモデルを学習する。
第10回 市場理論(ゲーム理論1)ナッシュ均衡、マクシミン均衡、ミニマックス均衡を考える。
第11回 市場理論(ゲーム理論2)さまざまなモデルの問題演習を行う。
第12回 市場理論(市場の失敗・外部性)市場の失敗と政府の介入について考える。
第13回 市場理論(市場の失敗・公共財)公共財の性質と最適供給について学習する。
第14回 市場理論(市場の失敗・情報の経済学)モラルハザードや逆選択について学習する。
第15回 総復習(問題演習)後期内容について復習をする。