経済学概論Ⅱ
担当者寺川 隆一郎教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [国際経済学科]
科目ナンバリングEDE-102

授業の概要(ねらい)

 経済学という学問は、17世紀頃の西ヨーロッパで、全国的市場が確立したのを受けて誕生した。そのため、経済学は、一貫して市場を、研究の主題としてきた。市場のもつ、資源を効率的に配分し、新たな商品や、生産方法を生み出す力は、どのように分析できるのか、市場が社会関係を流動化し、すべてを貨幣で一元的に評価することが、人間社会の経済以外の側面にどのような緊張をもたらすのか。経済学の歴史を振り返ると、これらの疑問に、論者たちが、様々のかたちで回答を与えてきたことが分かる。前期の「経済学概論Ⅰ」を踏まえて、本講義では、経済学の歴史に足を踏み入れ、市場と社会の関係についての、経済学の多様な洞察を学ぶことを目指す。

授業の到達目標

経済学の基本的な考え方を習得する
失業や貿易、景気変動、環境といった経済と社会の境界領域については、経済学の内部でも多様な立場が存在することを理解する

成績評価の方法および基準

平常点30%、期末テスト70%。平常点は、LMS上で受験する毎回の内容確認テストと、任意提出(こちらもLMS上で提出)のリアクションペーパーの内容で評価する。よいリアクションペーパーとは、授業内容を踏まえ、独自の考えが書かれているものである。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献『経済思想史入門』松原隆一郎ちくま学芸文庫
参考文献『新版 経済思想史』太田一廣ほか編名古屋大学出版会

準備学修の内容

講義で学んだ内容を、目にするニュースや、自分の身近な出来事に当てはめると、どうなるのかを日頃考えておくこと。その時に気づいた疑問点や発見が、リアクションペーパーを書く際の材料になる。

その他履修上の注意事項

講義では、日々の経済ニュースの前提にある、基本的な考え方を解説する。新聞やインターネット、テレビで経済ニュースに意識して触れるようにすると、より理解が深まるだろう。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
第2回市場メカニズムの理論①ー新古典派の確立
第3回市場メカニズムの理論②ー市場と社会の境界問題
第4回スミス①ー人と時代
第5回スミス②ー社会秩序を「同感」で読み解く
第6回スミス③ー総合知としての政治経済学
第7回ケインズ①―人と時代
第8回ケインズ②―「古典派」モデル
第9回ケインズ③―有効需要の理論
第10回ケインズ④―投資水準決定理論と不確実性の問題
第11回ケインズ⑤―ケインズのヴィジョン
第12回ヴェブレン―社会心理と消費
第13回ミンスキー―不確実性と金融
第14回コモンズ―不確実性と制度
第15回まとめと期末テスト