産業・企業研究Ⅰ
担当者石川 正史
単位・開講先選択  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングMAN-307

授業の概要(ねらい)

 本講義では、自動車産業と自動車メーカーの歴史・現状・将来を総合的に理解することを試みます。皆さんは自動車産業についてどれ位知っていますか。どうしてフォルクスワーゲンは排ガス不正問題を、三菱自動車は燃費不正問題を起こしたのでしょうか? 電気自動車や燃料電池車は本格普及するのでしょうか? そんな質問にお答えします。自動車が誕生して1世紀以上が経過しましたが、この間、自動車は急速に普及し、身近な移動手段として、又魅力的な消費財として世界中で、人々にとって生活に不可欠な地位を確立しました。日本の自動車産業は質量両面で世界のトップクラスに立っていますが、先進国市場の飽和と新興国市場の急速な伸張の中で熾烈な国際競争に曝されています。自動車メーカーは品質と生産性で高いレベルを維持しながら、環境・安全・情報通信技術への対応に取り組み、消費者と社会の厳しい要求に応えて行かなければなりません。本講義ではそのような世界の自動車市場と自動車メーカーの現状を捉え、自動運転車の普及に代表される未来の自動車と交通システムについても考えます。

授業の到達目標

 ・世界主要国自動車市場と自動車産業に関する基礎知識を身に付ける。
 ・今後の自動車業界や自動車メーカーの動き、更にはハードウェアとしての未来の自動車の形と、交通システムを考察し、これらについて他者と対話する力を身に付ける。
 ・自動車産業が環境と安全にどのように配慮していくのかを考え、自分の意見として述べる。

成績評価の方法および基準

 中間試験22%、小テスト(複数回)28%、期末試験35%、授業態度15%で成績評価を行います。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書テキストとしては毎回、配布プリントを使用、参考書は下記の通りです。他に日本経済新聞を参考に使用、時に英文資料の使用を考慮しています。
参考文献企業風土とクルマ桂木 洋二グランプリ出版
参考文献フォルクスワーゲンの闇ジャック・ユーイング日経BP社

準備学修の内容

 自動車関連の報道は日常的に大量に行われていますので、学生は日本経済新聞等の各種メディアを通じてそれらの情報を常時チェックした上で講義に臨んで下さい。こちらからも適宜有用な資料を提示・配布します。又、授業冒頭では前回授業の振り返りを実施したり、復習の小テストを行いますので、授業の復習に加えて、重要事項については追加で自主的に研究することを推奨します。

その他履修上の注意事項

 自動車は日常において極めて身近なものであると同時に、その巨大な裾野を通して、想定以上に我々自身と多様な接点を持っています。従って学問として取り組むと同時に、自分にとって将来の職業としても考えてみて下さい。

授業内容

授業内容
第1回 イントロダクション
第2回 自動車産業の歴史
第3回 日本の自動車産業の発達
 *基礎情報と自動車産業の歴史・発達を対象とした小テストを実施するので、十分に復習しておくこと。
第4回 自動車産業の位置付け(経済全体に対する影響力)
第5回 グローバルな合従連衡
 *自動車産業の位置付け・グローバルな合従連衡を対象とした小テストを実施するので、十分に復習しておくこと。
第6回 日本の自動車メーカー① トヨタ
第7回 日本の自動車メーカー② ホンダ
第8回 日本の自動車メーカー③ 日産
 *第1回から第8回の講義内容を対象とした期末テストを実施するので、十分に復習しておくこと。
第9回 日本の自動車メーカー④ その他
 *日本の自動車メーカーを対象とした小テストを実施するので、十分に復習しておくこと。
第10回 世界の自動車メーカー① 北米: ビッグ3やテスラ
第11回 世界の自動車メーカー② 欧州: VW、ルノー等
第12回 世界の自動車メーカー③ アジア: 現代自動車、タタ
 *世界の自動車メーカーを対象とした小テストを実施するので、十分に復習しておくこと。
第13回 自動車と環境・安全
第14回 これからの自動車
 *当該セメスターの全講義内容を対象とした小論文テストを配布します。(提出は第15回授業)
第15回 総括
 *当該セメスターの全講義内容を対象とした期末テストを実施するので、十分に復習しておくこと。