スペイン文化論Ⅰ
担当者大國 雅子
単位・開講先選択  2単位 [外国語学科 2016年度以前入学]
科目ナンバリングARS-111

授業の概要(ねらい)

 スペインはユネスコの世界遺産登録件数が世界第3位の48件(2019年)であり、世界の観光競争力ランキングで第1位(2019年)の文化・観光大国です。紀元前から多様性に富んだ文化が育まれ、近世以降はベラスケス、ゴヤ、ミロ、ダリ、ピカソ、ガウディなど世界的に有名な画家や建築家を輩出し、エル・グレコやルーベンスなど多くの外国人画家も活躍した国です。本授業の前半では、紀元前からスタートしてギリシャ・ローマ、西ゴート、イスラームの人々がスペインでどのような文化を作り上げていったかを取り上げます。6回目からは14世紀から17世紀にかけての建築・絵画・彫刻などをメインに解説し、スペイン各地の世界遺産も紹介します。その際に対抗宗教改革や他のヨーロッパ諸国との関係なども学習し、美術を切り口に幅広くスペインの社会と文化を考えます。

授業の到達目標

この授業は以下の2つを到達目標としています。
①スペインの美術史を学びながら、この国の地理、歴史、宗教と祭り、世界遺産などについて基本的な知識を得ること
②代表的な作品や歴史遺産などについて、それらの特徴やどのような歴史的・社会的背景の中で生み出されたのかを調べ、自分の考えを表現できるようになること

成績評価の方法および基準

期末試験(記述式、到達目標②) 40%
課題  (レポート、到達目標②) 30%
平常点 (授業内の演習により到達目標の①、②について総合評価)30%
対面授業ができない場合は変更あり

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『スペイン美術史入門:積層する美と歴史の物語』ISBN978-4140912515大髙保二郎監修・著NHKブックス
参考文献『スペイン・ロマネスクへの旅』ISBN 978-4121021021 池田健二著中公新書
参考文献『もっと知りたいエル・グレコ』ISBN 978-4808709563 大高保二郎/松原典子著東京書籍
参考文献『スペインの歴史を知るための50章』ISBN978-4750344157 立石博高/内村俊太編著明石書店
参考文献『アンダルシアを知るための53章』ISBN978-4750337036 立石博高/塩見千加子編著明石書店

準備学修の内容

①最低2つのレポート提出があります。
②教科書や解説をまとめたり、参考文献やネットなどを積極的に利用して学習ノートを作って下さい。この学習ノートは期末試験に使用することができます。
③参考文献を含むスペイン関係の書籍は、MELIC2階の「指定図書コーナー」に用意されています。予習・復習やレポートの作成に活用して下さい。

その他履修上の注意事項

教科書は必ず購入して下さい。
配布する資料・画像などの複製や転載、インターネットやSNSへのアップロードを固く禁じます。違法行為が見つかった場合には受講を禁止し、大学への報告を行います。

授業内容

授業内容
第1回各回の授業内容は、状況に応じて変更になる場合があります。
ガイダンス ~スペインってどんな国?
第2回古代イベリア半島の美術 ~アルタミラの洞窟壁画からエルチェ夫人像まで
第3回ローマの遺産と西ゴート美術 ~スペイン文化の基礎ができた重要な時期
第4回スペインのイスラーム文化 I ~アル・アンダルスとメスキータ
第5回スペインのイスラーム文化 II ~レコンキスタとアルハンブラ宮殿
第6回中世キリスト教文化 ~モサラベとムデハル
第7回対抗宗教改革と美術
第8回エル・グレコ I ~トレドの街と初期の作品
第9回エル・グレコ II ~円熟期の作品
第10回まるで生きているかのような彩色木彫と各地の祭り
第11回イタリアの影響を受けたバレンシア ~リバルタとリベーラ 
第12回新大陸への窓口セビーリャ I ~スルバラン
第13回新大陸への窓口セビーリャ II ~ムリーリョ
第14回総まとめ
第15回期末試験