保育内容の指導法(環境Ⅱ)
担当者草野 いづみ教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [初等教育学科 こども教育コース]
科目ナンバリングESS-306

授業の概要(ねらい)

 子どもは周囲の環境から影響を受け、また自ら環境に働きかけるという環境との相互作用を通じて成長する。子どもの育つ環境には、広くは地球環境、周囲の自然環境、園やその周辺の環境など物理的環境に加えて社会環境や地域の文化的環境、家庭や保育園などでの人的環境も含まれる。本授業では保育所保育指針および幼稚園教育要領における領域「環境」の意義と目的について理解し、環境による保育つまり子どもが環境と関わりながら好奇心・探究心を育み、人間関係を形成しながら成長・発達していく過程を人的環境としての保育者がどのように支援するかを具体的に考えていくことを目的とする。前期に引き続き、グループ活動により、秋冬の野菜栽培および伝統行事等を行う。周囲の環境を通じた、数や形などの認知と知的発達についても考察する。さらに環境問題や異文化交流など、広い意味での子どもの「環境」について考えていきたい。

授業の到達目標

 子どもの知的好奇心や探究心を育てる保育力を養うため、自らが環境に積極的かつ意識的に関わる姿勢をもち、そこでの発見や体験を保育に応用していけるような態度を身につける。子どもの安全を守る意識を持つ。

成績評価の方法および基準

 平常点(授業への参加態度)35%。活動・観察記録レポート65%。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『幼稚園教育要領解説〈平成29年3月告示〉』
教科書『保育所保育指針解説〈平成29年告示〉』
教科書『幼保連携型認定こども園教育・保育要領 解説〈平成29年告示〉』
教科書授業時に資料を配布するとともに参考文献を随時紹介する。
参考文献

準備学修の内容

 日頃から自分の住む地域の環境(自然、歴史、伝統を含む)について関心をもちつつ歩いてみる。実習やボランティアの際に保育園や幼稚園の園内の環境構成について観察・考察するなど「環境を通じた保育」について周囲にアンテナを巡らせ、意識的に行動しよう。

その他履修上の注意事項

 実習・演習を含みますので、積極的に体と頭を働かせて自ら授業を作っていってください。作業中心なので遅刻しないこと。
 畑に入っての作業など野外活動が多いため、動きやすく、汚れても良い服装でくること。

授業内容

授業内容
第1回 オリエンテーション:授業の内容や参考文献等の説明。野菜栽培のグループ編成。
第2回 秋の野菜栽培:土作り、畝作り、種まきなど。大根、水菜、ホウレン草、カブなどの種をまく。
 →野菜栽培は後期終了まで継続し、毎回作業があります。
第3回 地域の自然と子どもの環境について:大学周辺の「秋探し」。植物の観察、採集、名前調べ。昆虫の観察など。「秋探し」は継続的に行う。
 秋という季節を味わい、季節感をどのように保育に取り入れるかを考える。
第4回 野菜栽培をテーマとしたパネルシアター制作。
第5回 春から栽培してきたサツマイモの収穫を行う。
第6回 スイートポテト作り。
第7回 サツマイモをを材料としてスケッチ、リースや芋版を作る。
第8回 秋探しでみつけたドングリなど木の実や草花を利用して園に飾るオブジェを制作する。①
第9回 秋探しでみつけたドングリなど木の実や草花を利用して園に飾るオブジェを制作する。②
第10回 秋探しを通じて、生活の中で出会う文字や記号、数量や図形、時間や形や空間、数などをとらえる。
第11回 環境を通じた子どもの知的発達について考察する。 野菜の世話と収穫。「冬」という季節について、自然の風物(畑の霜柱、野菜や植物の様子、昆虫の姿、富士山の見え方、外の水道の水の感触など)や、伝統行事などから考える。「冬」を味わう。
第12回 冬の伝統行事について。クリスマス、年越し、お正月、節分など。
第13回 クリスマス行事を実施。企画と模擬保育。
第14回 野菜の収穫と畑の整理。
第15回 環境を通して行う保育とは。ベテラン保育士のお話。