演習Ⅱ
担当者大下  茂教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [観光経営学科]
科目ナンバリングSEM-302

授業の概要(ねらい)

 我が国の観光は、地方創生戦略の追い風を受けて、オリンピック・パラリンピック東京大会への備えとポスト2020に向けて、確実に国際観光都市づくりや地域主体の観光まちづくりへと導く取組みが展開されている。演習ではグループワークを中心に、担当教員が関わっている地域での様々な地域課題から学ぶ「アクティブラーニング」を基本とすることから、「観光まちづくり」や「地域・現場」に関心をもつ学生の参加を期待する。
 受講学生の興味研究対象に応じて3グループ構成を想定し、先輩諸氏が開拓した、1)国土交通省の観光事業推進(道の駅・バスタ新宿・インフラツーリズム等)、2)東京都の観光まちづくり推進(北区・墨田区・大田区等)、3)多摩市におけるシティプロモーションと連動した観光まちづくり推進などへの講究を深め、観光まちづくり分野の様々な事業展開につながる実践的活動・企画構想の研究に取組む。
 演習では、学生自身が主体的に取組み、多くの小さな失敗を重ねて失敗の型を身につけるとともに、仲間意識を育むことに前向きに取り組むことに期待する。
 また、受講者の関心領域や研究テーマに応じて現場で活動している自治体職員や専門家をゲスト講師として招聘し、地域・現場での様々な課題に対する対処法を実践的に演習する機会をつくる。
 学内での授業以外には、地域連携を締結している都内の観光地等における担当教員とのフィールドワーク(ゼミ散歩)の開催、イベント(墨田ゆるキャラフェスティバル)等への参加、子どものまちづくり教育(三宅島)、国際観光展開(札幌、多古町)等のテーマに応じたプロジェクトへの参画によるスキルアップの機会も設ける。また、演習の参加者や対象地域の関係者と協議しながら、夏季休暇中に2回程度の現地研究調査や事例調査等の合宿を実施する予定である。現地研究調査・合宿は、地域を研究活動で訪れる際の作法や地域でのものの見方等の演習につながるものである。
 「楽しくなければ長つづきはしない」をテーマに、楽しみながら創造的な思考を迷走する演習としたい。しかし、時間外での作業も少なくはない。

授業の到達目標

 ①自らの興味・関心を明らかにした上で、自主的に研究テーマ設定や研究方法を考え、研究計画や事業企画を立てることができる。
 ②地域・現場に出向く作法を身につけ、地域・現場に受け入れてもらうことができる。
 ③研究計画にしたがって現地調査や既往文献調査、自治体の観光に関するマーケティングデータ(観光入込調査・満足度調査等)をもとにした地域の解読等を計画的に行い、問題意識に対する解決手法を深めることができる。
 ④グループでの協働・協調により、1年間の研究活動を研究ノートや担当教員が準備する投稿論説として取りまとめることができる。

成績評価の方法および基準

 最初に、文献資料の探し方、自主的な研究テーマの設定の仕方、研究計画の立て方等を学習した上で、その後は各自が選んだテーマに沿ってグループワークを中心に自主的な研究を行う。春学期と秋学期、それぞれの学期中に最低2回の発表を義務づける。担当者や参加者からの講評を受けながら、3年次末までにゼミ論(研究ノート)を完成させ、4年次では研究活動を深化させて卒業論文に結実されることを期待したい。
 演習系科目のため出席は必修である。評価はグループワークへの積極的参加の度合いが40%、各学期最低2回の発表の評価が30%、主体的なゼミ運営への貢献が30%の配分によって総合的に評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献①『発想法』川喜田二郎中公新書
参考文献②『行ってみたい!と思わせる「集客まちづくり」の技術』大下茂学陽書房
参考文献③『質問力』斉藤孝ちくま文庫
参考文献④『論文の書き方』澤田昭夫講談社学術文庫

準備学修の内容

 自分で選んだ研究テーマに対する研究・知識の習得に継続的に取り組むこと。
 休日等の時間を使い、現場でものごとを考えることを習慣化する姿勢をもつこと。
 休日を中心に都内の観光地等において担当教員とフィールドワーク(ゼミ散歩)を開催することも予定している。また、教員の関わる地域における様々な事業・イベントにも積極的に参加する。

その他履修上の注意事項

 演習に参加することによって「物の見方や捉え方」「現実に至る過程や背景」等を習得され、マニュアル思考から脱皮することで、就職の際の差異・個性、卒業後必須の知識・思考を身につけてほしい。当然ながら、研究を通じて得た論理性・プレゼン・各種PCソフトの使い方・技能も修得する。
 フィールドワークや研究対象地域での協議に積極的に参加することで、地域に迎え入れていただく心得を修得することを期待している。

授業内容

授業内容
第1回 夏季休暇中の研究活動の報告と今後の方向性の確認
第2回 グループワーク(11)~今後の展開についての共有化
第3回 グループワーク(12)~具体的事業化の枠組み設定
第4回 観光入込データの企画への応用とグループワーク(13)~事業化に向けた条件整理
第5回 グループワーク(14)~事業化の詳細検討
第6回 グループワーク(15)~事業化の詳細検討
第7回 観光入込データの事業への応用とグループワーク(16)~事業化の詳細検討
第8回 研究活動中間報告
第9回 最終報告に向けた総括グループ討議(1)~プレゼン資料概要
第10回 最終報告に向けた総括グループ討議(2)~プレゼン資料詳細検討
第11回 最終報告に向けた総括グループ討議(3)~プレゼン方法と調整
第12回 一年間の研究活動報告会
第13回 グループの研究ノートの作成(1)~報告書の構成検討
第14回 グループの研究ノートの作成(2)~報告書の作成
第15回 秋学期の総括と一年間の研究活動の振り返り、今後の研究活動について