担当者 | 大下 茂教員紹介 | |
---|---|---|
単位・開講先 | 選択必修 2単位 [観光経営学科] | |
科目ナンバリング | TPA-307 |
日本の観光は、大きな方向転換が求められてきている。人口増加が期待できない時代を迎えた思考への転換と、観光立国に基づく国際観光地への転換が引き金となっている。特に、地方創生戦略の追い風を受けて、オリンピック・パラリンピック東京大会への備えとポスト2020に向けて、確実に国際観光都市づくりや地域主体の観光まちづくりへと導く取組みが展開されている。
本講義は、代表的な観光資源を有していなかった地域が「地域ぐるみ」での取組みを通じて、人の気を惹く地域へと変化させていった地域における取組みから、観光まちづくりの極意を学ぶものである。その極意とは、①マーケティングに基づく観光行動の変化を確実にキャッチすること、②地域固有のコンテンツを地域商品として組み立てること、③地域ぐるみでの受入体制を強めることにある。
春学期においては、観光まちづくりが着目されてきた背景、地域事例、地域診断の方法、地域資源のみつけ方・探し方の手法について、「現場」に軸としておいて、現場での意思決定プロセス等も交えて発想や意思決定の過程を想起できるよう討論形式も導入するように努める。また、必要に応じて観光まちづくりを実践している専門家をゲストスピーカーとして招聘し、実践的な計画論を深めることにも努めたい。
①観光まちづくりが起こってきた背景と現状を体系的に説明することができる。
②地域の観光に関する診断方法を提案できる。
③地域の新しい魅力資源のみつけ方・探し方を提案できる。
講義内で実施する演習レポートを40%(2回実施)、期末試験を60%として評価する。演習レポートとは、講義内容の理解をより深めるために、教員が提示する課題に対してペアで意見交換をして授業内にまとめる課題レポートであり、小テストとしての意味をもっているものである。
また、定期試験は、テキスト並びに配布資料の持ち込みは「可」とする。
毎回の講義の後の質問に対しても評価の対象とする。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
---|---|---|---|
教科書 | 『行ってみたい!と思わせる「集客まちづくり」の技術』 | 大下茂 | 学陽書房 |
教科書 | |||
参考文献 |
講義中に関連するインターネットのサイト情報等を提示するので、事後に各回のテーマに関連したレポートをまとめること。
また、各回の最後に、次回のテーマを提示するので、事前にテキストの関連ページを予習した上で、ポイントメモを作成の上で講義に臨むこと。
秋学期は、テキスト後半の地域魅力商品のつくり方・磨き方、魅力を維持する方法、観光まちづくり組織のつくり方、構想・プランの描き方の講義を予定している。また、秋学期の講義と併せて「観光まちづくり論」が体系化されるため、通年での受講が望ました。
講義の妨げとなる行為をつつしむこと。特に私語は退席を願い、評価の減点対象となるので留意してほしい。
社会で求められる人材は、問題解決できるスキルよりも、問題発見のできる人材であることから、問題意識をもつ受講者の質問は歓迎する。
回 | 授業内容 |
---|---|
第1回 | 授業の全体構成の解説・「観光まちづくり」とは |
第2回 | 人口増加が期待できない時代を迎えて |
第3回 | オリンピック・パラリンピック2020東京大会への備えとポスト2020の取組み |
第4回 | 観光まちづくりの基本的な考え方 |
第5回 | 人の気を惹く事例地域(1)~池田・金木・足助等 |
第6回 | 人の気を惹く事例地域(2)~小樽・佐原・長浜等 |
第7回 | 地域診断の方法(1)~評価の心構えとチェックポイント |
第8回 | 〔授業内演習(小テスト)〕ペアワーク~地域を診断する |
第9回 | 地域診断の方法(2)~観光入込統計とSWOT分析 |
第10回 | 地域資源発見の発想法(1)~再発見する発想法 |
第11回 | 地域資源発見の発想法(2)~新たに創造する発想法 |
第12回 | 〔授業内演習(小テスト)〕ペアワーク~地域資源を見出す |
第13回 | 地域の記憶をたどる方法 |
第14回 | 地域の魅力商品づくりに向けての磨きかけ |
第15回 | 総括~これからの観光まちづくりの行方/試験 |