法律学演習Ⅲ
担当者堀田 晶子教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングSEM-401

授業の概要(ねらい)

春期は、刑事政策の中でも、個別犯罪の実態と対策に焦点を当てる。具体的には、薬物犯罪、児童虐待、組織犯罪、来日外国人犯罪等である。また、日本の矯正施設や更生保護施設の実態を調査し、矯正・保護の現状と課題を分析する。さらに、少年法分野のホットなテーマを取り上げつつ、少年法の基本的知識を確認する。ゼミはグループワークを基本に、プレゼンテーションやディスカッションを行う。ゼミでは、活発な意見交換を行いつつ、一人一人が刑事政策の諸問題と主体的に向き合うことが求められる。希望があれば、夏休み中に刑務所や少年院、更生保護施設等の見学を行う。

授業の到達目標

①個人ないしグループで積極的に調査を行い、互いに協力し合いながら、適切な資料をもとに、その成果を発表できる。
②刑事政策や少年法の諸問題と真摯に向き合い、現状を分析し、対策を論じ合うができる。
③犯罪や非行を取り巻く状況を理解し、広い視野をもって、それぞれの立場に配慮した議論ができる。
④確かな知識に裏付けられた自由な発想を駆使して、自身の研究テーマを設定し、地道に調査することができる。
⑤「罪と向き合う」ことの意味や方法を考え、多様な意見を尊重しながら、自分の考えをまとめることができる。

成績評価の方法および基準

議論への参加状況、報告内容やゼミへの貢献度によって評価します。評価配分の目安は、議論への参加状況が50%、報告内容(プレゼンテーションやレポート等の中身)及びゼミへの貢献度が50%です。ゼミへの貢献度は、課題に取り組む姿勢やゼミ活動への協力等をもとに総合的に判断します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『犯罪白書—平成の刑事政策ー』法務省法務総合研究所(法務省HPからも閲覧可)
参考文献各テーマの資料(図書・学術論文、統計等)を自分たちで入手して授業に臨むこと

準備学修の内容

犯罪学や少年法の授業で取り扱った問題や、新聞やニュース等で報道された事件について、日頃からゼミ生どうしで話し合う機会を持ちましょう。各自で楽しく予習・復習する工夫をして、少しでもゼミで発言しやすい雰囲気を作ってください。論文検索の仕方や統計資料の読み方にも少しずつ慣れていきましょう。答えの出ない問題については仲間で大いに議論し、わからないことは徹底的に調べましょう。それでも疑問に思うことは先輩に質問し、最終的に教員に聞くようにしましょう。図書館も大いに活用してください。

その他履修上の注意事項

①春期の「犯罪学」と「少年法」を履修している前提で進めます。秋期には「刑事政策」と「被害者学」を履修してください。
②積極的な発言や意見交換を期待します。まずは議論に参加しましょう。素朴な意見も大歓迎です。ためらわずにどんどん発言してください。
③プレゼンテーションやディスカッションの際には、発言を行う側だけでなく、それを聴く側の態度も大切です。相手の意見に耳を傾け、尊重しつつ、自分の意見を述べましょう。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション(自己紹介・授業の進め方)
第2回刑事政策とは何か/日本の犯罪の現状・犯罪白書を読む
第3回薬物犯罪① -基礎的知識の確認(動画資料も利用)―
第4回薬物犯罪② ーグループ・ディスカッションー
第5回矯正・保護① ー基礎的知識の確認―
第6回矯正・保護②ーグループ・ワークー
第7回矯正・保護③ーグループ・プレゼンテーションー
第8回児童虐待―基礎的知識の確認ー
第9回児童虐待ーグループ・ディスカッションー
第10回組織犯罪・来日外国人犯罪-基礎的知識の確認ー
第11回組織犯罪・来日外国人犯罪 -グループ・ワークー
第12回少年法① —基礎的知識の確認―
第13回少年法② ー法制審議会の動向ー
第14回少年法③ ー少年法の適用年齢引き下げ・グループ・ディスカッションー
第15回春期のまとめ