西洋史籍講読1-Ⅲ
担当者
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングHEA-401

授業の概要(ねらい)

 古代ギリシアの代表的な古典作品をていねいに読み、歴史的背景をふまえて自分なりの解釈ができることを目指す。取り上げる作品は、ソポクレスによるギリシア悲劇の最高傑作、ソクラテスの哲学探究を生き生きと描いたプラトンの対話編、ペロポネソス戦争を厳密な事実に基づいて記述したトゥキュディデスの歴史の3つである。これらの読解を通して、人間の運命、個人と社会、国家と戦争といった根本問題について考察する力を養ってもらいたい。

授業の到達目標

 テキストの一字一句を厳密に読み、時代背景をふまえながらその意味を正確に理解できること
 提示された論点について自分なりの解釈をまとめ、グループ討論で積極的に意見を交わせること
 以上を通じて、読む・書く・聴く・討論する・発表するという、日本語の総合的な運用能力を高めること

成績評価の方法および基準

 毎回の予習課題の発表、およびグループ討論と全体発言における積極性による

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書「プロタゴラス」プラトン光文社古典新訳文庫
教科書「オイディプス王」ソポクレス岩波文庫
教科書「歴史1」トゥキュディデス京都大学学術出版会(MELICの指定図書を利用)
参考文献

準備学修の内容

 次回のテキストの範囲を必ず読み、予習課題をこなしてくること
 発声練習を自宅で毎日行うこと

その他履修上の注意事項

 授業の冒頭で発声練習を毎回行う
 90分間ぼんやりしている時間はないので、集中力を切らさないこと
 夏休みに読書の宿題を出す

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション・グループ分け
古代ギリシア史概説・テキスト解説
第2回「プロタゴラス」読解(1)ソフィストとは何者か
第3回「プロタゴラス」読解(2)プロタゴラスの創生神話
第4回「プロタゴラス」読解(3)徳は教えられるか
第5回「プロタゴラス」読解(4)幸福とは技術か
第6回「オイディプス王」読解(1)オイディプス王の人物像、神託とは何か
第7回「オイディプス王」読解(2)イオカステはいつ真相に気づいたか
第8回オイディプス王のその後「コロノスのオイディプス」「アンティゴネー」(プリント配布)
第9回DVD「オイディプス」鑑賞
第10回トゥキュディデス「歴史1」序文および歴史叙述の方法
スパルタにおけるコリントス使節の演説(第1巻68~71章)
第11回スパルタにおけるアテネ使節の演説(第1巻72~78章)
第12回スパルタ王アルキダモスの演説、開戦決議(第1巻79~88章)
第13回 ペリクレスの戦略とアテネの海上支配(第1巻140~146章、第2巻7~24章)
第14回ペリクレスの国葬演説(第2巻34~46章)
第15回大演説会(提示されたテーマで原稿を作成し、大教室でマイクなしで演説する)