担当者 | 小沢 健市 | |
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単位・開講先 | 必修 2単位 [観光経営学科] | |
科目ナンバリング | SEM-301 |
本演習は、観光の経済的側面を学ぶための基礎理論としてのゲーム理論を正確かつ完璧に理解し、ゲーム理論を観光事象の分析にどう応用可能かを、ディスカッションやグループでの発表を通じて学ぶことが「ねらい」である。換言すれば、ある事象を説明するための基礎理論としてのゲーム理論とそれを観光において現実に生起している問題を例にとり,応用することがねらいである。そうすることによって、本学の「実学」という目標を受講生自らが達成可能であると考えるからである。役に立つ理論あるいは考え方が実学であるとすれば、本演習で学ぶミゲーム理論の有用性とその応用をを受講生自らが身に着けることができる,ということである。
受講生がゲーム理論の基礎の習得を通じて観光の経済的側面を分析し理解することができるようになること。さらに受講生自らが,観光に関わる諸問題を自主的かつ能動的に考え,その解答を導き出すことができるようになることが到達目標である。
成績は、期中に3回ほど課す課題に対する解答や解決策をレポートにまとめ提出すること,また期中に実施する中間テスト、そして期末試験の3点によって評価する.課題と中間テストのウエイトは、それぞれ30%.期末j試験のウエイトは40%である.ただし,評価は、全授業回数の三分の二以上の出席者のみが対象である。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『ゲーム理論入門の入門』 | 鎌田雄一郎 著 | 岩波書店 |
参考文献 | 『ゲーム理論』 | 渡辺隆裕 著 | 日本経済新聞出版社 |
受講生は、必ず、毎回の授業終了後の復習と次回の予習を1時間程度しておくことが不可欠であるが,課題に対してまとめ提出することが必要である.
ミクロ経済学の講義を履修するじょとが望ましい.
回 | 授業内容 |
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第1回 | 受講にあたってのオリエンテーションと日本の観光の現状の統計を利用した説明 |
第2回 | 経済学とは何を研究する学問か.経済学は「稀少な資源の有効な利用ないし配分を考える」学問であることの説明と経済学と観光とのかかわりの説明,そしてゲーム理論は観光の諸側面の分析にどう応用可能かについての平易な説明 |
第3回 | 観光にかかわる財・サービスの多くは市場で取引される。市場にはそれらの財・サービスを需要する観光者とそれを供給する企業が存在するが,観光に関わる市場は競争的とは言えない. |
第4回 | 買手と売手の間での取引が成立するためには取引のための価格が必要.需要と供給のによる価格決定の説明 |
第5回 | 需要関数と供給関数を用いた価格と取引量の決定と数値例を用いた計算例.具体的例としてのホテルの宿泊料金決定への応用 |
第6回 | 需要関数と供給関数の背後にはどのような論理が働いているのか |
第7回 | 市場は必ずしも完全ではなく、したがって、競争が行われている市場もあればそうでない市場も存在するが,不完全競争市場での価格と取引量の決定の平易な説明 |
第8回 | 独占企業は、同一の財・サービスを複数の異なった価格では倍することができる。価格の差別化はなぜ成立するか。宿泊施設の宿泊料金や航空運賃の決定。中間レポート課題の発表 |
第9回 | 不完全な市場では,企業は戦略を取り合う.戦略とは |
第10回 | ゲーム理論とはどのような理論か |
第11回 | 支配戦略とナッシュ均衡の説明 |
第12回 | 囚人のジレンマはナッシュ均衡か |
第13回 | 伝統的な経済異論では均衡解は一つであるが,ゲーム理論では均衡解は複数存在する |
第14回 | 複数均衡のうちどの均衡がもっとも望ましい均衡か |
第15回 | 春学期のまとめと期末試験の準備 |