刑法総論Ⅱ
担当者佐々木 知子教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングCRL-102

授業の概要(ねらい)

 刑法総論は、刑事法を理解するための必要不可欠な基礎になりますが、その背景には歴史と哲学があり、一通りの理解に至るだけでも決して容易ではありません。しかし、1年生が同時に学び始める民法や憲法などとは異なり、刑事事件は日々のニュースになるので、身近でとっつきやすい面もあります。
 授業では、元検事である私が初学者を対象に書き下ろした、実務に即したテキストを用い、身近な具体例や著名な事件などを挙げながら進めていきます。このテキストは総論ばかりか各論(各罪)も一冊に収めており、適宜その項も参照することで、理解はより深まると思います。
 また書く力を重視しており、授業内試験(15回目)は論述式2問形式で出し、それを採点したうえ模範解答も作って解説します。今年は前期の授業回数が少なく、例年は違法性まで終わるのが後期に持ち越しになり、前期授業内試験に盛り込めなかったので、違法性と責任を一括して中途に論述試験問題を出し、その模範解答の解説もやるつもりです(これは採点・評価に含めない)。

授業の到達目標

 刑法の基礎を理解し、その考え方の基本が分かり、日々起こる刑事事件に関心を抱くようになること。

成績評価の方法および基準

 最後の授業内試験(論述式2問)の採点結果によって成績を評価します。
 おおむねS10%以内、A~C各30%としています。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『警察官のためのわかりやすい刑法』佐々木知子著立花書房
参考文献『別冊ジュリスト 刑法判例百選I総論〔第7版〕』有斐閣

準備学修の内容

 テキストをよく読み(2時間程度)、その際具体的な例を想像しながら自分の頭で考える癖をつけるようにしてください。また書く力を養うために、なんであれ、できるだけ自ら文章を書くようにしてください。

その他履修上の注意事項

 すぐについていけなくなるので、必ず予習・復習を。分からないときは録音済み講義内容を聞き直したうえ、掲示板で質問をしてください。
 例えば中間試験の実施など連絡することは「連絡事項」に書きますので、よく見ておいてください。

授業内容

授業内容
第1回 前期試験の講評・解説(模範解答アップ)
 違法性の最後「超法規的違法阻却事由」について
第2回 責任①
第3回 責任②
第4回 責任③
第5回 責任④
第6回 中途試験実施予定:範囲は「違法性」と「責任」
第7回 上記の解説(模範解答アップ)
 未遂①
第8回 未遂②
第9回 未遂③
第10回 共犯①
第11回 共犯②
第12回 共犯③
第13回 罪数
第14回 手続き・裁判員裁判について(教科書29章)
第15回 授業内試験実施(範囲は「未遂」以降)