物権法
担当者長谷川 成海
単位・開講先選択  2単位 [政治学科]
科目ナンバリングCIL-205

授業の概要(ねらい)

 物権とは、人の物に対する直接的・排他的支配権であり、権利者以外のすべての人に対して主張できる絶対的な権利である。資本主義社会は私有財産制を基礎とするが、この私有財産制を法的に支えるのは、(私的)所有権を中心としつつ、派生的な用益物権を含み、「物に対する支配権」をその内容とする物権である。このように、物権法は社会的に重要な意義をもち、物権法の基本的理解は民法学習者にとって不可欠である。難解な部分もあるが、この授業では、全体像を大きく捉えて理解することを目指していきたい。
 なお、授業内容の理解を確認するため、授業中に適宜、演習問題を配布し、解いていく。

授業の到達目標

 ①民法の物権に関する基礎的な知識を習得する。
 ②法律関係の各種試験に必須である物権法の基礎を理解したうえで、ある程度応用的な問題を解く実力を身につけたい。

成績評価の方法および基準

 LMSを利用し、授業中に解く演習問題に準じた問題からなる期末試験により(100%)評価する。詳細は授業中に説明する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『新プリメール民法2 物権・担保物権法』今井与一他法律文化社
教科書
参考文献
参考文献

準備学修の内容

 復習を中心に、授業でのノートを参考にしながらテキストをよく読みこんでもらいたい。また、授業中に解く演習問題をLMSにアップロードするので、理解して正答できるように繰り返し学習することが望まれる。わかないことがあれば、教科書を参照することはもとより、担当教員に遠慮なく質問してもらいたい。

その他履修上の注意事項

 法学部生にとっては、常識として知っておくべき内容を扱う。特に資格試験対策には不可欠な分野。いかにも「法律」らしい科目であり、抽象的で難解な事項が多い。授業を聴いていれば理解できるように努めるので、授業を重視してもらいたい。
 【関連科目】後期に開講される「担保物権法」を併せて履修することにより、物権法の全体像を把握することが期待される。

授業内容

授業内容
第1回 イントロダクション:民法における物権の意義、債権との対比について簡単に解説し、授業の進め方、テキスト、学習方法、試験等について指示する。
第2回 物権とは何か、物権の種類、物権の客体
 物権法の原則
 物権の効力
第3回 物権の変動:不動産物権変動
第4回 物権の変動:公示の原則と公信の原則
第5回 不動産物権変動
 所有権移転の時期
 法律行為と登記
第6回 民法177条の「第三者」
第7回 動産物権変動
 即時取得
第8回 所有権:意義と内容
 相隣関係
第9回 所有権の取得
 共有(1)
第10回 共有(2)
 建物区分所有(マンションの所有権)
第11回 用益物権:地上権・永小作権・地役権
 入会権
第12回 占有:意義と種類
 占有の取得
第13回 占有の効果:占有訴権
 占有の効果:権利の推定
第14回 占有の消滅
 準占有
第15回 まとめ