社会学演習Ⅲ
担当者李  永淑教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [社会学科]
科目ナンバリングSEM-401

授業の概要(ねらい)

 本演習では、ボランティア活動を通じた「無関係な他者」との関わりあいから、「自分事」と「他人事」をどのように社会化していくことができるのかを考え、受講生各自のボランティア論を構築することを目指していきます。具体的には、受講生自身の「想い」を社会学的な問いとしてとらえなおし、調査や先行研究をもとに論理的な主張を展開し、それを卒業研究・卒業論文という形にすることを目標とします。
 そのためにまず、教科書「最強の社会調査入門」を用いて、様々な論文を輪読し、社会学的な問いの立て方(研究テーマの設定)、先行研究の探し方、論文の構成、書き方を学び、研究テーマや研究計画に活かすヒントを模索します。そのうえで、教科書「小児がん病棟と学生ボランティア」を用いて、フォーラムシアター(演劇討論)を行い、自覚的・無自覚的な社会への違和感を、自身の身体で感じ、表現し、他の価値観と突き合わせていきます。

授業の到達目標

 ・日常生活のなかで「問い」を立てることができる。
 ・自分の考えを口頭・及び文章で具体的かつ論理的に説明することができる。
 ・専門的な文献を読解する力を身につける。
 ・卒業研究・卒業論文執筆のための基礎的な能力を身につける。

成績評価の方法および基準

授業の参加状況、貢献度、発表(50%)、提出物(50%)から、総合的に評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書最強の社会調査入門前田拓也・秋谷直矩他ナカニシヤ出版
教科書小児がん病棟と学生ボランティア -関わり合いの人間科学李永淑晃洋書房
参考文献

準備学修の内容

・授業外において受講生各自がボランティア活動などのフィールドをもつことが望ましい。(フィールドの紹介や相談などにも応じます)
・活動フィールドや関心のある分野に関連する文献を探して読み、それらはリストとして整理しておくこと。
・「市民参加・ボランティア論Ⅰ、Ⅱ」「公共社会学Ⅰ、Ⅱ」を履修してください。

その他履修上の注意事項

・本演習では、事前課題を課したり、議論や発表、グループワークを多く行います。したがって、遅刻・欠席、課題の未提出、報告の欠席は、単位が認定できないだけではなく、授業の進行も妨げますので、やむを得ない事情(学生便覧参照)以外は原則として認めません。
・教科書・文献は精読し、発表準備・事前準備をしっかり行うこと。

授業内容

授業内容
第1回授業ガイダンス
第2回レジュメの書き方とプレゼンテーション方法
発表スケジュールと担当の決定
第3回文献の検討と発表、議論
第4回文献の検討と発表、議論
第5回文献の検討と発表、議論
第6回文献の検討と発表、議論
第7回文献の検討と発表、議論
第8回社会の成員としての自己を理解し、他者に対して寛容な態度をとることの検討ーフォーラムシアターを手掛かりに
グループ分けと事前準備について
第9回文献の検討と発表、フォーラムシアターの準備
第10回文献の検討と発表、議論:フォーラムシアター②
第11回文献の検討と発表、議論:フォーラムシアター③
第12回文献の検討と発表、議論:フォーラムシアター④
第13回グループワーク(ワールドカフェ):「社会の問題を発見し社会を構想すること」への検討
第14回グループワーク(ワールドカフェ):個人研究テーマの検討
第15回まとめ
夏期休暇中の課題について(研究報告書の執筆、フォーラムシアターの事前準備について)