経済学概論Ⅱ
担当者西澤  保
単位・開講先選択必修  2単位 [国際経済学科]
科目ナンバリングEDE-102

授業の概要(ねらい)

 経済学概論IIでは、『資本主義の革命家ケインズ』(Backhouse, Bateman著、栗林訳・西沢監訳:作品社)、『二十一世紀の資本主義論』(岩井克人、筑摩書房)などを手がかりにして、市場と政府、経済と倫理、成長と福祉の問題を検討します。リーマン・ショック、グローバル市場経済の危機から、市場と政府についての考え方、アダム・スミスの「見えざる手」からケインズの「自由放任の終焉」、ネオ・リベラリズム(市場原理主義)のグローバル化、そして「自由放任の第二の終焉」、ケインズ主義の復活などを検討します。また、『市場には心がない』(都留重人、岩波書店)を手がかりに、成長、福祉、環境などの問題を検討する予定です。新聞のコラムを用いて現代経済社会の問題(たとえばイギリスとEUなど)も検討します。

授業の到達目標

 経済学・経済思想に興味をもっていただき、市場と政府、経済と倫理、成長と福祉・環境などの問題に基本的な理解をもっていただくことが主要な目標です。授業内容をもとに基本的な知識を習得し、正確な知識を基礎にして課題について論述ができることを目標にします。

成績評価の方法および基準

 授業内試験(60%)、平常点(40%、コメントペーパーを重視)とし、総合的に評価する。授業中にプリントを配布し参考文献、準備学習について指示することもあり、授業への出席を重要視する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書特定の教科書は使いませんが、授業中にプリントを配布し、文献を指示する。
教科書
教科書
教科書
参考文献『資本主義の革命家 ケインズ』R.バックハウス, B.ベイトマン著、栗林訳・西沢監訳作品社
参考文献『21世紀の資本主義論』岩井克人筑摩書房
参考文献『市場には心がない』都留重人岩波書店
参考文献その他については授業中に指示する。新聞のコラム(とくにイギリスとEU関係)も使います。

準備学修の内容

 授業内容をよく復習し、参考文献、授業中に指示する文献、配布するプリント等をよく読んで基本的な知識を習得し、コメント・ペーパー、授業内試験において、正確な知識に基づいて課題に即した論述ができるように準備すること。

その他履修上の注意事項

 授業に積極的に参加すること。

授業内容

授業内容
第1回 グローバル市場経済の危機と第二の自由放任の終焉1
第2回 グローバル市場経済の危機と第二の自由放任の終焉2
第3回 市場と政府:「見えざる手」と市場の不安定性1
第4回 市場と政府:「見えざる手」と市場の不安定性2
第5回 資本主義と自由主義の変遷:古典的自由主義から新自由主義へ
第6回 資本主義と自由主義の変遷:新自由主義からネオ・リベラリズムへ
第7回 第二の自由放任の終焉
第8回 資本主義の道徳性1
第9回 資本主義の道徳性2
第10回 マーシャル、「冷静な頭脳と温かい心情」
第11回 経済と倫理1
第12回 経済と倫理2
第13回 ケインズと芸術1
第14回 ケインズと芸術2
第15回 まとめと試験
 (授業計画は変更することがあります。)