民法総論Ⅱ
担当者北見 良嗣教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングCIL-102

授業の概要(ねらい)

 民法典第一編「民法総則」を中心に、代理、法人、契約の有効性・効力発生時期、時効等について学習します。民法総則は、2年次以降履修する民法各科目の基礎となるばかりか、法律学全体の基礎となる制度を提供していますので、しっかり理解することが望まれます。
 なお、2020年実施予定の民法(債権法)改正および2019年から段階的に実施される同(相続法)改正についても、必要に応じカバーを図ります。

授業の到達目標

 ①民法、ひいては法律学の基礎となる法制度の仕組みや役割を理解します。
 ②具体的には、後期は代理、法人、契約の有効性・効力発生時期、時効について基礎知識を修得します。

成績評価の方法および基準

 最終回に実施する試験(80点)+平常点(20点)
  -平常点は、中間レポートにより採点します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『民法I(第4版)-総則・物権総論』内田貴東京大学出版会(2008)
参考文献『民法判例集 総則・物権(第2版)』内田貴・山田誠一・大村敦志・森田宏樹有斐閣(2014)

準備学修の内容

 ①授業の進行に合わせて指定した教科書の次回の授業範囲を読み、専門用語の意味等を理解しておくこと。
 ②授業で聴いた内容(特に分からなかった点)は、必ずその日のうちにノート整理を行い、要点を整理すること。
 ③授業の進行に合わせて、法学検定問題集(ベーシックないしスタンダード・コース)を使って、知見・理解を確認すること。

その他履修上の注意事項

 ①法学概論を並行的に履修することが望まれます。なお、より進んだ専門的知識修得には、契約法Ⅰ、物権法があります。
 ②民法は、大多数の学生諸君にとって大学に入って初めて学ぶ科目であり、しかも他の法律を学ぶ際に前提となることが多い科目です。民法の確たる理解には、授業に出席することが不可欠です。

授業内容

授業内容
第1回 オリエンテーション-前期の学習内容の大まかなレビュー
 代 理-無権代理、無権代理と相続
第2回 代 理-表見代理(109)
第3回 代 理-表見代理(110、112)
第4回 代 理-代理類似概念
 法 人-法人とは何か、「法人」総論
第5回 法 人-社団と組合、権利能力なき社団、法人の組織
第6回 法 人-「法人の能力」と「目的の範囲」
第7回 法 人-定款等による代表者の代理権の制限、代表者の代理権に対するその他の制限(代理権の濫用)、法人と不法行為
第8回 法 人-法人の不法行為と表見代理
 契約の有効性-確定性、実現可能性
第9回 契約の有効性-適法性、社会的妥当性
第10回 契約の有効性-社会的妥当性
 有効要件を欠く場合の効果
 無効
 取消し
 契約の効力発生時期-条件
第11回 契約の効力発生時期-期限、期間
 時 効-時効とは何か、存在理由を巡る問題
第12回 時 効-消滅時効、中断・停止、時効の効果
第13回 時 効-時効の効果(援用権者、援用の場所、援用の制限、時効利益の放棄)
第14回 時 効-除斥期間、形成権の期間制限の法的性質、抗弁権の永久性、
 法律行為
 私権についての一般原理
第15回 まとめ