特殊不法行為法
担当者足立 祐一教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングCIL-206

授業の概要(ねらい)

 民法第3編「債権」の第5章「不法行為」によって規律されるもののうち、一般不法行為の原則が修正される場面である、特殊不法行為について取り扱います。また、これに加えて、契約によらない債権の発生原因として、事務管理・不当利得についても学修します。 当然のことと思われることも、法律に基づくとどのように説明されるのか、学んでいきます。

授業の到達目標

①特殊不法行為法および事務管理・不当利得の規定の内容や考え方、解釈についての基礎知識を修得すること。
②修得した基礎知識を具体的な問題に即して活用できるようにすること。

成績評価の方法および基準

原則として学期末の課題(レポート)(90%)および小課題の提出状況(10%)により評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書小型の六法を必ず授業時に用意すること。
レジュメの配布を予定しています。
教科書『新民法講義5 事務管理・不当利得・不法行為法』石崎泰雄・渡辺達徳編(成文堂、2011年)
 ※他に利用している教科書があればそちらでも可
参考文献『民法判例百選Ⅱ 債権〔第8版〕』窪田充見・森田宏樹編(有斐閣、2018年)
参考文献『START UP 民法④債権各論 判例30!』中原太郎・幡野弘樹・丸山絵美子・吉永一行(有斐閣、2017年)
参考文献『民法判例集 債権各論〔第4版〕』瀬川信久・内田貴編(有斐閣、2020年)

準備学修の内容

・毎回の予習として、教科書の該当箇所を事前に読んでおくとよいでしょう。わかりにくいと感じたところ、自身がもっていたイメージとは異なったところはメモしておきましょう。民法の分野の中では、取組みやすそうに見える科目ですが、学修する内容は抽象的なものなので、毎回の授業の前にどのような内容をこれから学ぶのか、それが不法行為法のルールの中でどのような意味をもつのか、確認することが必要となります。
・授業後は配布物、教科書、ノートを見直し、不明点がないか確認しましょう。このとき、重要と思われた点については自分の言葉で数行にまとめなおしておきましょう。具体的な判例も重要となりますが、判例の理解のためには抽象的な学説の理解を前提とします。学んだ内容を自分の頭の中で整理をしておかないと混乱してしまうので、復習に重点をおいて、授業で学んだことを定期的にきちんと整理しておきましょう。
・試験(レポート)には自分で問題の答えを説明できるかが関わってきますので、学んだことを文章にして説明できるか、考えることが大切です。

その他履修上の注意事項

・授業の際には、忘れずに小型の六法を用意すること。
・自分が学んでいるものが、どのような意味をもっているのか、どのような考え方によるものなのか、頭の中で常に確認しながら学修してください。
・取り扱う授業内容のうち、特殊不法行為については一般不法行為の原則を前提とするので、事前に「不法行為法I」を履修していないとわかりにくい場合があります。
・授業中の私語など、他の受講生の迷惑になる行為は禁止です

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス、不法行為法制度の概説
第2回監督義務者の責任
第3回使用者責任1(意義、要件)
第4回使用者責任2(効果)・注文者の責任
第5回物による権利侵害1:工作物責任・動物占有者の責任
第6回物による権利侵害2:製造物責任
第7回共同不法行為1(制度的意義)
第8回共同不法行為2(適用範囲、効果)
第9回共同不法行為3(効果)、特別法による不法行為(自動車損害賠償保障法など)
第10回不法行為法の現代的課題、事務管理1(意義、成立要件)
第11回事務管理2(成立要件、効果)
第12回事務管理3(効果)、不当利得1(意義、衡平説と類型論)
第13回不当利得2(侵害利得、給付利得)
第14回不当利得3(多数当事者の不当利得、不法原因給付)
第15回まとめと試験
※上記授業計画は、状況に応じて変更することがあります