書道史研究Ⅰ
担当者中村 健太郎教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [人間文化学科]
科目ナンバリングJLN-201

授業の概要(ねらい)

 実用の文字の発達とともに展開した「書」と、その歴史や文化について学ぶことを目的とする。中国大陸における文字と書の歴史は、古代から現代に至るまで脈々と継承されている。こうした書の歴史を理解することで、個々の作品が生まれた背景や影響関係について理解が深まるものと考える。漢字発祥の地として、周辺の地域に強い影響を与えながら、高度な書文化を構築した過程について、中国書道史研究の視座から授業を進める。具体的には、各時代の代表的な書の作例を取り上げながら、歴史的変遷について概観し、さらに個々の作例(書写年代や筆者、書写内容など)について確認するという方法で授業を進める。また、授業時間内に実際の書の鑑賞なども実施する予定である。

授業の到達目標

 ・中国大陸における書の歴史的展開を説明できる。
 ・各時代の代表的な書の作例や筆者について説明できる。

成績評価の方法および基準

 レポートの提出(4割)と、授業時間内の小テストおよび、授業への積極的な参加状況等を合計した平常点(6割)で評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献『決定版 中国書道史』 芸術新聞社
参考文献『日本・中国・朝鮮 書道史年表事典』書学書道史学会編萱原書房

準備学修の内容

 ・美術館、博物館などの常設展や特別展を利用して、実物鑑賞の機会を多く持つように心掛ける。
 ・参考文献や授業時間内に配布するプリントを活用して、予習と復習を行う。

その他履修上の注意事項

 ・第1回目の授業の冒頭で、本科目の到達目標やレポート課題、成績判定方法について説明を実施する。履修希望者は例外なく必ず出席し、履修希望票(第1回目の授業時間内に配布)を提出すること。
 ・レポートは、美術館・博物館の見学が必須となる。授業内容に関連する書の作例を実際に見学し、書写年代や筆者、書風の特徴などを自分で調べ、レポートにまとめる。また、書道と関連する、同時代の美術工芸や文化にも関心を持つことが重要である。

授業内容

授業内容
第1回 授業の到達目標と内容、授業の進め方、評価の仕方など
第2回 文字と書の発生
第3回 古代中国の書文化
第4回 甲骨文・金文の発生と展開
第5回 篆書の発生と展開
第6回 隷書の発生と展開
第7回 草書の発生と展開
第8回 行書の発生と展開
第9回 楷書の発生と展開
第10回 随・唐の書文化
第11回 宋・元の書文化
第12回 明・清の書文化
第13回 近代中国の書文化
第14回 朝鮮半島および日本への影響について
第15回 中国書道史研究の展望