憲法Ⅱ
担当者鬼頭  誠教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [観光経営学科]
科目ナンバリングPUL-202

授業の概要(ねらい)

 日本国の基本法中の基本法である憲法は、国会議員が制定する法律とは異なり、主権者の国民に制定・改正する権利と義務があります。それを理解することに講義のねらいがあります。
 日本国憲法は世界各国の憲法の中でも異例の長期間、つまり1947年に施行されて以来今日まで、73年間、細かな勘違いミスも含めて多くの不備欠陥があるにかかわらず、国民的な怠慢により、一言半句も直されずにきました。そこに用いられている日本語は1946年当時の「現代語」で、現在は一般国民には読めない漢字等が1,000字以上も満載され、現代語・口語への改正が喫緊の課題なのに、六法を出版する編集者の便宜的書き換えにとどまったままです。
 修正・改正がなされない最大の原因は、憲法制定権力者である国民に主権者意識が希薄なことでしょう。講義を通じて、受講者にその現状を体感してもらいたいと考えています。
 憲法は、国会議員が制定する民法や刑法などの法律とは大きく異なります。憲法は「国民投票」で、つまり、わたしたち国民の判断で改正されます。したがって、国会議員でもない普通の国民であっても、全103か条の憲法各条には目を通し、大まかでもその内容を知っていることが望まれます。
 一般職の公務員、警察官・消防官・自衛官の試験でも頻出する憲法問題。就活・試験に役立つ知識を培うことも念頭に置きながら進めます。
 憲法Ⅱでは、「国会」「内閣」「司法」「財政」「地方自治」など、政治の構造面を主に勉強します。
 授業は毎回録音録画され、履修登録した人は講義終了翌日から学期末まで、ポータルサイト(LMS=学習管理ソフト)で視聴することが可能です。

授業の到達目標

 基礎的で入門的な知識を理解し現実社会での活用ができる
 主権者としての意識が向上する

成績評価の方法および基準

 毎回授業で提出返却の小レポート、発言等の評価、及び、期末試験から総合評価

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書電子書籍『初学者が分かる解説日本国憲法』(2019年 読売電子書籍用テキスト)毎回LMSで配信します。読売新聞憲法問題研究会編読売新聞東京本社
参考文献『憲法概説』(2017年)本体3,000円松浦一夫ほか編著成文堂
参考文献『憲法 第七版』(2019年)本体3,200円芦部信喜著・高橋和之補訂岩波書店
参考文献『世界の憲法を知ろう』(2016年)1,620円西修著海竜社

準備学修の内容

 LMS配信の資料、プリントを中心に予習し、授業のあったその日のうちに習ったことを確認しておきます。復習が中心です。この積み重ねを着実に実行することで、期末の総まとめ(授業内試験)の負担を軽減することを勧めます。

その他履修上の注意事項

 シラバスは目安で、適宜変更することがあります。近年まで読売新聞で政治・外交・憲法担当の政治記者だった特徴を生かし、日々の新聞報道を活用した授業、毎回のレポート提出・添削を心がけます。
 授業中の行動はすべて就活に直結すると考えて、授業冒頭のあいさつをはじめ、礼儀正しく、前向きに、また集中して臨みましょう。

授業内容

授業内容
第1回 憲法第3章第31~40条の刑事関係条文(春学期に到達できなかった部分)
第2回 第4章 国会の運営
第3回 二院制
第4回 第5章 議院内閣制度
第5回 非常事態
第6回 裁判所
第7回 違憲立法審査
第8回 憲法裁判所
第9回 財政
第10回 地方自治
第11回 条約、憲法附属法
第12回 憲法改正
第13回 新しい条文案
第14回 おさらいと改正試作
第15回 おさらいと授業内試験に代わるレポート(複数課題の中から1テーマを選ぶ)