エコ社会論
担当者遠山 智久
単位・開講先選択  2単位 [人間文化学科]
科目ナンバリングENS-101

授業の概要(ねらい)

 この講座の目的は、環境問題を経済学的な視点で考えられる能力をつけることです。環境問題と一口にいっても、魚の乱獲による水産資源の枯渇、それによる生態系への影響、レアメタル(金などの希少な金属のこと)問題、不法投棄の問題、リサイクルの問題、自然エネルギー問題(原発、火力、水力)、エコ商品開発、リユース問題と、たくさんの種類があります。更に、環境問題自体、法律、経済、情報学、気象学、化学など様々な学問分野で研究が行われており非常に学際的な研究分野となります。本コースはその中でも人々に環境フレンドリーな行動を取らせるような社会的な仕組みをどのように考えていけばよいのか?を中心に学びます。

環境問題は様々な経済政策と密接に絡み合っているため、経済そのものの原理と理解が不可欠です。この講座ではまず、経済学の視点で経済社会のものの見方を学びます。経済的なものの見方を学び、それを道具に環境問題への適用可能性を考えることができればと思っています。

授業の到達目標

授業で取り上げる様々な経済社会問題のテーマに対してどのように考えていけばよいのか?それを踏まえて、環境問題にどのように適用していけばよいのか?少しでも自力で意見をもてるようになることが目標です。

成績評価の方法および基準

 毎回、テレビをみて授業の感想などをレポートとして提出していただくので基本的にそれで評価します。
 人数が少ない場合には提出レポートで評価します。
 基本的に授業への参加度を重視しますが、出席者が多い時にはレポートの内容で評価します。
 人数が多い場合にはテストをするかもしれませんが、授業の進行状況を見て詳しくは授業内でアナウンスします。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 なし
参考文献

準備学修の内容

 テレビやニュースや街角で経済問題、社会問題、環境問題といわれているものに注目して関心をもつように心がけてください。

その他履修上の注意事項

 この講座は現状もさることながら、「物事の考え方」に重きを置きますが、物知りになることは理屈で考えるための最初の一歩です。好奇心を持って・・といっても人それぞれ性格もあるので難しいかもしれませんが、好奇心を持とうという心意気はもって臨みましょう。「道具は使いよう」なので人によっては環境問題が人生になる場合もあります。好奇心とは、どんな使いようのないものも役立てるようにする能力とも言い換えられるかもしれません。この能力が高いとどんな境遇であれ人生充実するんですよね。是非とも鍛えていただきたいなと思います。
 自分はなにを目標とするのか、そしてこの授業はそれにどう役立つのか?あるいは役立たないのか?いろいろ考えながら自分と対話して授業に参加してください。

授業内容

授業内容
第1回 観察と理論
第2回 工業化と環境問題
第3回 倫理学と環境倫理
第4回 望まれる公共事業とは (需要管理政策と環境投資)
第5回 規制緩和と環境問題 (供給管理政策)
第6回 金融施策とは何か?日本銀行の役割、債権、環境型投資信託
第7回 金融政策と環境保護(2)排出権取引
第8回 金融政策と環境保護(3)グリーン電力証書
第9回 静学ゲーム理論とインセンティブ(1)
第10回 ピグー税、ピグー補助、リサイクル料の前払い制とインセンティブ
第11回 動学ゲーム理論とインセンティブ(2) コミットメントの役割
第12回 エコプロダクトと企業のインセンティブ
第13回 ゴミの分別と消費者のインセンティブ
第14回 労働問題と環境
第15回 社会問題を考えるとはどういうことか?