担当者 | 山田 博雄 | |
---|---|---|
単位・開講先 | 選択 2単位 [史学科] | |
科目ナンバリング | HIT-202 |
政治現象の根底には、つねに利害と価値をめぐる闘争の側面がある。その点を知らなければ、政治の現実を正しくみることは難しい。思想・歴史を学ぶことを通じて政治を見る目が大きく開眼し、自立した判断を下せるようになってくれればと思う。具体的には、一定のテーマを設定し、普遍的原理と現実政治の乖離の問題や政治思想の果たすべき役割の問題等を考えてみたい。
一つは、日本政治思想史の重要概念を修得すること。二つは、日本政治思想史を構造的に把握し、そこに内在する問題を認識し、その解決にむけた方向性を明示する能力を身につけること。
レポート課題(1回。授業内容、および参考文献に関するものについて書く)60%、及び、ほぼ毎回の授業における「リアクションペーパー」40%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
---|---|---|---|
教科書 | 『日本政治思想史』 | 原 武史 | 放送大学教育振興会 |
参考文献 | 『日本の思想』 | 丸山真男 | 岩波新書 |
参考文献 | 『政治の世界 他十篇』 | 丸山眞男 | 岩波文庫 |
参考文献 | 『定本 丸山眞男回顧談』(上)(下) | 松沢弘陽・植手通有・平石直昭[編] | 岩波現代文庫 |
日本の政治思想史学を確立した丸山眞男の基本的な考え方を、参考文献の丸山『政治の世界』を読んで整理
してみる。また、丸山の人と思想の生成過程を知るために『定本 丸山眞男回顧談』をあらかじめ読んでお
くと授業への理解と興味関心が増すであろう。
できれば日本の近代史などを履修しているのが望ましい。また、学問の基本には、本を読むという一面がど
うしても必要なので、読書する習慣のある人の受講が望ましい。もう一つ、各受講生がいかに自ら「問い」を立てられるか、いいかえると、単に様々な知識を覚えるのでなく、自分で問い、かつ考えようとする意欲ある人の受講を望みたい。講義での遅刻や私語の厳禁などはいうまでもない。
回 | 授業内容 |
---|---|
第1回 | 日本政治思想史とは何か |
第2回 | 空間と政治 |
第3回 | 時間と政治 |
第4回 | 徳川政治体制のとらえ方 |
第5回 | 国学と復古神道 |
第6回 | 明治維新と天皇 |
第7回 | 街道から鉄道へ |
第8回 | 近世、近代日本の公共圏と公共空間 |
第9回 | 東京と大阪 |
第10回 | シャーマンとしての女性 |
第11回 | 超国家主義と「国体」 |
第12回 | 異端の諸思想 |
第13回 | 戦後の「アメリカ化」 |
第14回 | 戦後の「ソ連化」 |
第15回 | 象徴天皇と戦後政治 |