外国史Ⅰ
担当者高橋 裕史教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [総合基礎科目]
科目ナンバリングHSG-101

授業の概要(ねらい)

この20年余りの日本では、英語を中心とする「外国語」の運用能力の必要性と重要性が、過度にすぎるくらい、指摘されてきている。確かに、外国語の知識があった方が、生涯教育という観点からも、自己の啓発と向上という観点からも望ましいことではある。しかし、語学の運用能力という技術面しか無いことは、見た目だけが立派な容器にしかすぎず、その容器に入れる中身が無いに等しい。その欠を埋める一つの方法は、外国の歴史とそこから生まれ、現在に通じている文化を知ることである。そのため、この講義では、特に今の日本人には縁遠く感じられるであろう、中世ヨーロッパの歴史の基本的諸相について取り上げる。

授業の到達目標

・近代日本のモデルとなった西欧の原型である西欧中世の基本的な諸相を理解できるようになること。
・現代の西欧世界に対する中世西欧の歴史の影響について考えられるようになること。

成績評価の方法および基準

・日本の大学の単位修得が容易過ぎるとの批判を受けて久しいが、この授業では、成績評価を厳格に実施する。
・そのための具体的な方法は、以下の通りである。
  ①複数回の講義内試験40% 中間試験30% 最終試験30%を基準とする。
  ②レポートを課した場合、レポートの期限までの提出が、平常点に加味される。
   *レポートの課題は、インターネットでのコピーによる安易な作成を防ぐために、高橋が配布した文献の内容に関する解答を中心としたものとなる。レポートは指定した講義日の開始時に回収する。
  ③出席は単位認定を担保するものではない。つまり、皆勤であっても試験等の成績が悪ければ単位の認定は難しい。
  ④講義時の態度も、単位認定および成績評価に反映される。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『15のテーマで学ぶ中世ヨーロッパ史』堀越宏一・甚野尚志ミネルヴァ書房
参考文献各回において、必要に応じて紹介する

準備学修の内容

・高度に専門的な著作物を読む必要はないが、新聞、テレビのニュース、雑誌その他の媒介物などで、ヨーロッパ史が取り上げられているかどうかを確認し、取り上げられていた場合は目を通しておくこと。特に写真集などで中世のヨーロッパの建築物、絵画などに触れていて貰いたい。
・少なくとも、この授業では、私語を慎み、分からない部分が多くても、将来の自分への自己投資と思って我慢強く講義に望むことを、自分に言い聞かせること。

その他履修上の注意事項

*なお、このシラバスの記載内容とは、多少異なる形やテーマで、実際の講義が進む可能性もあることを、了解されたい。
①「おしゃべり」「電話」は厳禁とする。した場合この講義の履修を事実上「放棄」したものとみなし、即座に教室から退室してもらう。
②受講態度=遅刻、私語、内職、講義の途中退室、やる気のない態度や姿勢(イヤホンやヘッドホンを着用し、椅子にだらしなく腰掛けるなどその他)の悪い学生、真面目に授業を受けようとしている学生諸君の気力に水を差すような言動をする学生については、受講を認めない。
③試験は講義内容を踏まえ、じっくり考え、論理的に論述するような問題となるので、遅刻や欠席が多いと単位は不可能なので、この点も考えて受講を決めて貰いたい。因み三昨年度の本科目の単位非認定率はおおよそ50%で、「落単」科目である。
④インターネット上で本学の評価を調べ、そこに書かれている内容を自分なりに考えて貰いたい。受講学生である諸君一人一人の態度や姿勢が、帝京大学の「今と将来」の社会的「評価」を決定することを肝に銘じてほしい。
⑤大学の授業は高校の授業の延長では無いので、その積もりのレベルと内容の講義をするので、心得ていて貰いたい。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス(講義内容の説明、守るべき規範事項の説明、講義の進め方その他)+授業「なぜ中世ヨーロッパ史を学ぶのか」。
第2回中世ヨーロッパ文明への視角
第3回中世のヨーロッパとは何か
第4回キリスト教化と西欧世界の形成
第5回ローマカトリック教会の発展
第6回ローマ教皇とヴァチカン。
第7回聖遺物信仰の世界
第8回講義内試験(持ち込み不可)。
第9回都市という環境
第10回衣服とファッション
第11回融合する食文化
第12回都市と農村の住居
第13回ラテン語という文化
第14回知の復興と書物の変容
第15回まとめと「試験」
注意:試験は定期試験期間での実施もあり得る