アジア経済論Ⅰ
担当者
単位・開講先選択  2単位 [国際経済学科]
科目ナンバリングECP-309

授業の概要(ねらい)

 この授業では、アジアの中でも日本と経済的に一層関係の深い東アジア諸国に着目します。21世紀に入ってから、この地域は日本も含め、経済統合の動きに加速がかかってきました。広域にわたる経済統合(メガFTA)に向けた各国の努力も顕著になってきたところです。一方で近年では、多国間EPAやFTAによる自国経済の不利益を理由に、保護主義的な動きが世界的に見られるようになってきました。米国も含めた12か国で署名されたTPPに対する米国の不参加表明、英国のEU離脱などがそれにあたります。
 しかしながら、東アジアにおいてはASEANを中心2015年末にはASEAN経済共同体を発足させ、さらにアセアン共同体(経済共同体、安全保障共同体、社会文化共同体)の実現を目指しています。またRCEP(東アジア地域包括的経済連携協定)の成立に向けて、日本を含め、ASEAN10国、中国、韓国、インド、豪州、ニュージーランドが(インドの参加が危ぶまれているものの)、各国とも合意に向けて努力を続けています。日中韓FTAの構想も同様です。
 こうした中で、今後の経済活動を進展させていく学生諸君が東アジア各国経済の特徴や各国間の経済相互依存関係を理解することは非常に重要です。したがって、本授業では東アジア諸国経済の特徴を特にアセアンを中心として各国別に紹介し、必要に応じて事項別(国横断的)にも学習していきます。

授業の到達目標

 ・東アジア諸国の経済の特徴のポイントを説明できる。
 ・東アジア諸国間および日本との経済関係を説明できる。
 ・自分の意見や疑問を明確に人前で表現できる。

成績評価の方法および基準

 議論への参加(発言)とレポート等の提出物(40%)、期末試験(60%)

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書特にテキストを用いず、各国ごとにプリントを用意し配布します。それに基づいて授業を行いますます。
教科書参考文献は外務省のHPの各国に関するページ(例えばマレーシアについては
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/malaysia/)
教科書その他は各回で紹介。
教科書
参考文献『検証・アジア経済』2017年石川幸一・馬田啓一・清水一史編著(文真堂)
参考文献『ASEANを知るための50章』2015年黒柳・金子・吉野(明石書店)
参考文献縮約された統計データは『アジア動向年報』各年版日本貿易振興機構アジア経済研究所

準備学修の内容

 各回の授業の復習を心がけてください。

その他履修上の注意事項

 新聞に毎日目を通す習慣をつけ、世界の政治や経済の動きに着目してください。

授業内容

授業内容
第1回 授業の概要、東アジアの地理的把握
第2回 東アジアの経済・国別特徴(シンガポール)
第3回 東アジアの経済・国別特徴(マレーシア)
第4回 東アジアの経済・国別特徴(タイ)
第5回 東アジアの経済・国別特徴(フィリピン)
第6回 東アジアの経済・国別特徴(インドネシア)
第7回 東アジアの経済・国別特徴(ベトナム)
第8回 東アジアの経済・国別特徴(カンボジア)
第9回 東アジアの経済・国別特徴(ミャンマー)
第10回 東アジアの経済・国別特徴(ラオス)
第11回 東アジアの経済・国別特徴(ブルネイ) 
第12回 ASEAN経済の特徴(1)
第13回 ASEAN経済の特徴(2)
第14回 東アジアの経済の特徴
第15回 まとめ・テスト