インド経済論Ⅱ
担当者石川 正史
単位・開講先選択  2単位 [国際経済学科]
科目ナンバリングECP-314

授業の概要(ねらい)

 前期のインド経済論Ⅰに続き、南アジア随一の国土面積と世界第二位の人口を有するインド経済の多面的な理解を試みます。皆さんはインドについてどれ位知っていますか。どうしてスズキは40年近く前にインド進出を決断したのか? どうしてインド独立を目指した二人のインド人武闘派の独立運動リーダーが東京都内に埋葬されているのか? そんな質問にお答えします。更には、インド経済を、インドの主要産業である自動車・IT・医薬品という分野から捉えて今後の動向を占い、加えて、財閥という特殊な産業エンジンにも目を向けます。そして、今日の良好な日印関係の基礎となった、歴史上の両国間の政治や経済における主要な出来事も取り上げます。同時に、前期講義でカバーしたインドの歴史・文化・地理・政治・宗教などにも適宜触れ、それらの相関関係を踏まえながら、多様性に満ちたインドという国家と経済を多元的に捉え、スライドも多用して一つの地域として総合的に理解することを目標とします。

授業の到達目標

 ・インドに関する基礎的な知識を総合的に修得し、その独自性・異質性を積極的に理解した上で、自らの多面的で開放的な国際性を身に付ける。
 ・インドという窓を通して世界や日本を観察し、多面的な比較が出来る。

成績評価の方法および基準

 中間試験25%、小テスト(複数回)20%、期末試験40%、授業態度15%で成績評価を行います。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書テキストとしては毎回、配布プリントを使用、参考書は下記の通りです。他に日本経済新聞を参考に使用、時に英文資料の使用を考慮しています。
参考文献タタ財閥小島 眞東洋経済新報社
参考文献インド独立長崎 暢子朝日新聞社
参考文献中村屋のボース中島 岳志白水社

準備学修の内容

 インドを巡っては常時多くの報道がなされています。学生は日本経済新聞を中心に、各種のメディアを通じてそれらの情報をチェックした上で講義に臨んで下さい。こちらからも適宜、有用な資料を提示・配布します。又、授業冒頭では前回の振り返りを実施したり、復習の小テストを行いますので、授業の復習に加えて、重要事項については追加で自主的に研究することを推奨します。

その他履修上の注意事項

 未知なるもの、自分の常識や日常と異なるものに対して積極的に興味を示し、学問として取り組むと同時に、自らの将来の生き方・職業に繋げる、柔軟で開放的な発想を持った学生の参加を期待します。

授業内容

授業内容
第1回 イントロダクション:インドが注目される理由は何か。
第2回 インド自動車産業の発展① 統計と歴史
第3回 インド自動車産業の発展② メーカー別の概要
第4回 インド自動車産業の発展③ 関連産業の概要
 *自動車産業を対象とした小テストを実施するので、十分に復習しておくこと。
第5回 インドIT産業の発展① 発展の歴史
第6回 インドIT産業の発展② IT企業別概要
第7回 インド医薬品産業の発展
第8回 インドのインフラ整備
 *自動車産業・IT産業・医薬品産業・インフラ整備を対象とした中間テストを実施するので、十分に復習しておくこと。
第9回 インドの財閥①(タタ) 出自と発展、現状
第10回 インドの財閥②(リライアンス) 出自と発展、現状
第11回 インドの財閥③(ビルラ) 出自と発展、現状
 *財閥を対象とした小テストを実施するので、十分に復習しておくこと。
第12回 インドと日本の関係① 歴史の中での繋がり
第13回 インドと日本の関係② インド独立へ向けて
第14回 インドと日本の関係③ 極東軍事裁判、経済発展
 *当該セメスターの全講義内容を対象とした小論文テストを授業の終わりで配布します。(提出は第15回授業)
第15回 総括
 *当該セメスターの全講義内容を対象とした期末テストを実施するので、十分に復習しておくこと。