演習Ⅰ
担当者金澤  誠教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [法律学科 2018年度以降]
科目ナンバリングSEM-301

授業の概要(ねらい)

憲法という科目にも、たくさんの判決(や制度)があります。その数が多いために、講義ではどうしても「結論」と、「最低限度の理由」しか勉強できなかったと思います。この演習では、「原告がどう攻めたか」、「相手がどういう『防御』をしたか」、「どういう場合であれば、『正反対』の結論が出たか」といったことを意識しながら、裁判官を含む当事者たちの「想い」を考えてみたいと思います。そして、それをあとから法的言語に「翻訳」していきます。
 最初のうちは、有名で重要な事例からとりあげます。この段階では、教員主導です。最終的には、学生の皆さんのみによる発表を予定しています。工夫次第では、(法廷教室などで)模擬裁判の形態(原告側と被告側の対戦型)をとること、グループ・ディスカッションや、ディベートの形態をとることも可能です。ここでは、ひとに物事を伝えることの難しさを、実感してみてください。
 以上のことを通して、①文献を探す方法(図書館の使い方、検索の仕方など)を身につけたり、②文献を正確に読む能力を身につけたり、③文献を読んだうえで、それを口頭で(PPで)報告したり、討論したり、文章にまとめたりする(場合によっては、レポートを書くような)能力を身につけたり、④ゼミ内外で、まわりの人(教員や学生)とコミュニケーションする能力を身につけたりします。

授業の到達目標

①憲法にかんするより高度な知識を獲得し、憲法問題について、その問題点を的確に把握し、問題解決のための提言をおこなうことができる。
②新聞や法律雑誌、さらには、ツイッター(?)などで、日々議論されている法律問題について、法的根拠を挙げながら、批判もしくは受容できる(昨日の自分より、ほんの少しだけ新聞記事を読めるようになった気になる。世の中の怪しい(?)評論家に対して、軽いコメント【ツッコミ?】をいれられる)。
③憲法にかんする問題を、自分で発見し、その解決方法を提示・説明できる(自分ひとりで、ある程度の分量のレポートや報告書を書けるようになる。説明・プレゼンテーションが上手くできる)。

成績評価の方法および基準

①教材を事前に読んでくること(20%)、②当日の議論への貢献(40%)、③発表やプレゼンテーション(場合によっては、レポート)の内容(の上達)(40%)が、成績評価の方法になります。
 報告者は、割り当てられた文献ないし判決を要約したうえで、論点を提示しながら自己の見解をレジュメ(または、PP)にまとめ、口頭にて発表することになります(90分)。発表をする際には、図書館に通って自分で(あるいは、何人かで)勉強をする必要があります。コピペは、禁止です。すぐバレます。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献

準備学修の内容

社会で生じている法的現象に興味を持つことが求められます。憲法にかんする事件は、よく報道されています。それを自分で発見することが重要になります。資料として配布する問題演習、公務員試験を解いてくること、判例の要約が求められます(90分)。

その他履修上の注意事項

①この演習は、プレゼンや議論をするという積極的な作業をおこないます。そうしたことに興味ある好奇心のある学生さんの受講を歓迎します。自分のテーマを考えておいてください。
②楽しみながら勉強することが演習のコンセプトです。たまには苦しんでもらいます。でも、ゼミでの恥は、もしかしたら、いつかはいい経験に変わるかもしれません(?)。

授業内容

授業内容
第1回はじめに
第2回文献の探索
第3回判例の探索
第4回意見交換
第5回プレゼンテーション
第6回個人発表
第7回グループ・ディスカッション
第8回実務家の話を聞く(外部講師の話を聞く)
第9回模擬裁判の作成
第10回ディベート
第11回演習を企画する
第12回大教室での報告
第13回課外で話す(フィールドワーク!)
第14回模擬裁判をする
第15回まとめにかえて