金融取引法
担当者北見 良嗣教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2018年度以降]
科目ナンバリングCIL-317

授業の概要(ねらい)

 この講義では、銀行取引を巡る一とおりの法律問題について、テキストを使って、勉強します。
 預金・貸出といった伝統的な銀行業務だけでなく、近年脚光を浴びているデリバティブス、証券化、信託・投資信託、シンジケートローン等の新規業務についても、適宜取り扱います。
 日本経済新聞に掲載された記事等で、金融取引に関する話題性のあるものがあるときには、取り上げて解説しようと思っています。

授業の到達目標

 ①民法、商法等の基礎知識を土台にして、銀行取引を巡る一とおりの法律問題について検討を行い、より実践的な知識の修得を目指します。
 ②金融機関や企業の財務部門等への就職希望者だけでなく、一般企業や公務員への就職希望者に対しても、基礎的となる一般的な金融経済知識を提供します。

成績評価の方法および基準

 最終回に実施する試験(80点)+平常点(20点)

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『金融法概説』神田秀樹=森田宏樹=神作裕之有斐閣(2016)
教科書『金融論ー新版 市場と経済政策の有効性』福田慎一有斐閣(2020)
参考文献『金融法講義』神田秀樹=神作裕之=みずほフィナンシャルグループ岩波書店(2013)
参考文献『金融取引小六法』神田秀樹経済法令研究会(2020)

準備学修の内容

 ①授業で聴いた内容(特に分かりにくい点)は、必ずその日のうちにノート整理を行い、復習すること。
 ②授業の進行に合わせて、事前に教科書内の分かりにくい語句を拾い、調べておくこと。

その他履修上の注意事項

 ①債権総則、担保物権法といった金融関連の法領域については、履修済みであることが望まれます。
 ②講義には、テキスト、六法は必ず持ってきてください。
 ③当該分野は、法改正・判例等の動きが激しく、教科書の記述だけでは不十分となってきているテーマもあります。そうしたテーマについては、講義では関連資料を使うなどして、適宜重要情報を補足します。したがって、出席が不可欠です。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
 貨幣とは、金融とは
第2回 金融仲介と銀行の機能
第3回 金融取引法
 -類型、特徴、法規範、説明義務
第4回 銀行の業務と銀行法
 -守秘義務、情報の扱い
 金融監督法
 -潮流、規制の概観(業務範囲、株主規制、行為・財務規制)
第5回 金融監督法
 -自己資本比率規制
第6回 銀行規制他
 -銀行業と商業の分離
第7回 銀行規制他
 -金融コングロマリット、独禁法、利益相反
第8回 預 金
 -預金者の認定、無権利者に対する弁済と銀行の免責
第9回 預 金
 融資取引
 -コミットメントライン、電子記録債権
第10回 為替取引
 -決済システム、手形交換制度(手形・小切手、手形交換の仕組み、取引停止処分)
第11回 為替取引
 -内国為替、外国為替
第12回 証券化
 シンジケート・ローン等
第13回 シンジケート・ローン等、デリバティブ取引
 -金融先物取引、オプション
第14回 デリバティブ取引
 -金利スワップ
 -賭博罪との関係
第15回 投資信託、フィービジネス
 まとめ他