刑事訴訟法Ⅰ
担当者佐々木 知子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [政治学科]
科目ナンバリングCRL-303

授業の概要(ねらい)

 刑事訴訟法は、事件が起きた後の捜査に始まり、起訴→公判の一連の流れを扱うものです(公判は後期で扱う)。 
 法の目的は、被疑者・被告人の人権を保障しつつ、実体的真実の発見に努めることであり、迅速・適正に処理されなければなりません。
 手続法は実体法と比べて理解の難しい面もありますが、私自身の15年に及ぶ検事時代の話をし、また現在起こっている話題の事件の話も織り込んで、捜査や起訴の実務について具体的に理解しやすい授業を心がけています。書く力を重視しており、前期の論述試験後は後期の頭で講評を含む模範答案を配り、解説をしたうえ、希望者には論文作成のアドバイスをしています。
 受講生にも是非、積極的に取り組む姿勢を持ってもらいたいと思います。

授業の到達目標

 刑事法分野におけるある程度応用的な知識を有し、日々起こる事件の流れが分かり、説明できるようになること。

成績評価の方法および基準

 授業内試験(論述式2問)の採点結果によります。ただし、受験資格は出席50%以上(つまり7回以上の出席)。
 持ち込みは、以下の教科書(レジュメ)、参考書、手書きノート、六法可。出席状況は評価にあたっても考慮し、おおむねS10%、A~C各30%としています。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 なし。自分でレジュメを作成し、配布します。
参考文献『刑事訴訟法講義(第6版)』 池田修・前田雅英著東京大学出版会

準備学修の内容

 配布レジュメ、参考書で予習復習するとともに、力がついてくれば是非、『刑事訴訟法判例百選(第10版)』(有斐閣)で判例を勉強してほしい。
 ことに捜査では、実務で起こる種々の問題について被告側から裁判が提起されることにより、裁判所の判断(判例)が法を作っていく面が大きいからである。

その他履修上の注意事項

 刑法総論はもちろん刑法各論も履修しておいてください。
 出席に努め、教室でのマナーを守ること。
 予習・復習をし、主体的に授業に参加すること。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション
第2回刑事訴訟の歴史
第3回刑事訴訟法の目的、刑事訴訟の流れ、基本原則
第4回刑事手続の担い手①──警察・検察官・裁判所
第5回刑事手続の担い手②──被告人・弁護人・犯罪被害者
第6回捜査①──概説・捜査の端緒
第7回捜査②──逮捕
第8回捜査③──勾留、逮捕・勾留の諸問題
第9回捜査④──取調べ
第10回捜査⑤──捜索・差押え・諸問題
第11回捜査⑥──被疑者の防御権・捜査の終結
第12回公訴の提起①──概説、起訴状
第13回公訴の提起②──公訴の対象
第14回公訴の提起③──公訴の要件と効果、まとめ
第15回授業内試験