交流及び共同学習実践研究
担当者神田 基史教員紹介, 荒巻 恵子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [教職研究科]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

 幼稚園・小学校・中学校・高等学校・地域との直接的・間接的な交流及び共同学習、また、最近、進められてきている副籍や交流籍などを設けた個別交流など多様な交流及び共同学習の内容や方法、評価等について、資料や文献・学校見学などを通し、具体的な検討を行うとともに、望ましい社会性の育成を図ることや、障害児の理解推進などの実践的な力量を高める。特にレポート・発表・協議を中心として進める。
 A類学生は、交流及び共同学習の実際場面を見学・観察を通して、意義などを理解する。
 B類学生は、所属校や他校の交流及び共同学習の実際場面を見学・観察を通して、一人一人の目標や活動内容をとらえ、意義や実施方法などを分析し・検討する。

授業の到達目標

  「交流及び共同学習」の意義を理解し、障害のある幼児・児童・生徒と、障害のない幼児・児童・生徒の双方に効果的な活動の内容、場について実践研究を進める。
 <A類学生>
  交流及び共同学習の意義と様々な交流の実施計画・事前指導・交流活動・事後指導などを知り、互いの人格の尊重や望ましい社会性などを育てることや、障害者に対する理解を深める方法を学ぶ。
 <B類学生>
  交流及び共同学習の意義と様々な交流の実施計画・事前指導・交流活動・事後指導などの実践報告を通して、互いの人格の尊重や望ましい社会性などを育てることや、障害者に対する理解を深める方法などの指導助言ができるようにする。

成績評価の方法および基準

 演習やグループワーク(10%)・発表(20%)、レポート(70%)等で評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 特定のテキストは使用しない。
参考文献交流及び共同学習ガイド(2019年3月改訂)文部科学省
参考文献学校における交流及び共同学習の推進について―心のバリアフリーの実現に向けて―(平成30年2月2日)心のバリアフリー学修推進会議
参考文献交流教育大南英明・吉田昌義編太楊社

準備学修の内容

 1 授業の復習を行い、疑問点や新たな課題などについて調べ、追究して欲しい。
 2 児童が書き写しても良い楷書で書くようにする。

その他履修上の注意事項

 1 障害のある幼児児童生徒、及び障害者に関するテレビ番組、新聞記事に関心をもってほしい。
 2 ボランティア活動、学習指導補助、学校行事の支援などを通して、できる限り障害児と関わる機会を設けて欲しい。

授業内容

授業内容
第1回 オリエンテーション(講義)
①授業計画
②交流及び共同学習に関する資料文献の収集方法、分析方法の概要を学ぶ。
第2回 交流及び共同学習の概念(講義・協議)
 交流及び共同学習の概念を理解し、インテグレーションやインクルージョンの考え方を学ぶ。
第3回 交流及び共同学習の意義(講義・協議)
 ・交流及び共同学習を通して、双方の児童生徒に対する指導の意義を学ぶ。
 ・グループ別に資料を分析し、意義・活動内容や成果をまとめ発表し、課題を明らかにする。
第4回 交流及び共同学習の内容・活動の場(演習)
 ・交流及び共同学習の様々な実施形態、活動内容の種類・方法など発表・協議する。
 ・A類学生は、前回資料を更に分析し、活動の展開から交流及び共同学習の方法を理解する。
 ・B類学生は、前回資料に所属校等の実施資料をさらに分析し、活動の展開から交流及び共同学習の方法を理解する。
第5回 特別支援学級と通常の学級や地域との交流及び共同学習(学校見学)
 ・小・中学校の特別支援学級を訪問し、通常の学級や地域との交流及び共同学習の実態や課題を学ぶ。
 ・A類学生は、特別支援学級の交流及び共同学習の実際と課題について明らかにする。
 ・B類学生は、特別支援学級の交流及び共同学習の実際と課題解決へ向けての方向を探る。
第6回 特別支援学級と通常の学級や地域との交流及び共同学習(演習)
 ・小・中学校の特別支援学級と通常の学級や地域との交流及び共同学習の実態や課題から、望ましい人格の形成や社会性の育成、交流及び共同学習の実施方法などを検討する。
 ・A類学生は、特別支援学級の交流及び共同学習の実際と課題解決に向けての観点や改善の方法を把握する。
 ・B類学生は、特別支援学級の交流及び共同学習の実際と課題解決へ向けて検討し、提言をする。
第7回 特別支援学校と小学校・中学校との交流及び共同学習(講義)
 特別支援学校と小学校・中学校の交流及び共同学習について、事前指導、実際的な活動、事後指導などを分析・把握し、望ましい方向を探る。
第8回 特別支援学校と小学校・中学校との交流及び共同学習(*学校見学)
 特別支援学校と小学校・中学校の交流及び共同学習の見学の結果をもとに、事前指導、実際的な活動、事後指導などを分析し、課題を明らかにするとともに、望ましい方向を探る。
第9回 特別支援学校と地域との交流及び共同学習(演習)
 ・特別支援学校と地域の人々との交流及び共同学習について、事前指導、実際的な活動、事後指導などを把握し、望ましい方向を探る。
 ・A類学生は、交流及び共同学習の見学の結果をもとに、交流の課題を明確にする。
 ・B類学生は、交流及び共同学習の見学の結果をもとに、課題となった点についての解決方向を提言する。
第10回 交流及び共同学習の計画・事前指導(演習)
 ・望ましい交流及び共同学習の目標や内容を計画し、更に事前指導の具体的な内容を検討する。
 ・グループ別に、交流及び共同学習の1つを取り上げ、目標や内容を検討する。
第11回 交流及び共同学習の実際(演習)
 ・望ましい交流及び共同学習の計画に基づく実際的な活動展開と事後指導の内容を具体的に検討する。
 ・グループ別に、交流及び共同学習の1つを取り上げ、目標や内容に沿った展開を検討する。
第12回 交流及び共同学習の評価(演習)
 ・交流及び共同学習の評価の観点や方法を学ぶ。
 ・A類学生は、交流及び共同学習のねらいは活動内容から、評価の観点や方法を検討する。
 ・B類学生は、交流及び共同学習のねらいは活動内容、これまでの実施した経験を踏まえて、評価の観点や方法を具体的に検討する。
第13回 障害児の理解推進①(演習)
 ・交流及び共同学習を通して、障害のある児童生徒の理解について、具体的な内容を検討する。
 ・小学校・中学校・高等学校の児童生徒を対象としたグループ別に、障害児の理解のねらい・内容・方法等について検討する。
第14回 障害児の理解推進②(演習)
 小学校・中学校・高等学校の児童生徒を対象としたグループ別に、各教科等における障害児の理解のねらい・内容・方法等について具体的に検討する。
第15回 まとめ
 交流及び共同学習の計画から評価、障害児の理解推進などについてまとめ、指導助言の観点や内容を理解する。特に、B類学生は、指導助言する場合の方法や留意点などもつかむ。