経済法Ⅰ
担当者徳力 徹也教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [国際経済学科]
科目ナンバリングSOL-301

授業の概要(ねらい)

 私たちの経済生活は、市場経済システムによって成り立っています。そして、市場経済システムは、競争によって機能しています。このため、市場経済システムを適切に機能させるためのルール=競争法(独占禁止法)が必要とされます。みなさんは、今後、経済・ビジネス活動を行う上で、独占禁止法(競争法)上の問題に多く接することになるでしょう。講義では、このことを意識して、独占禁止法違反とされる具体的事例を通じて、実際の経済・ビジネスの場面で、どのような行為が問題となるか(その理由を含めて)を考えるようにします。

授業の到達目標

 本講議は、独占禁止法について、「社会の仕組みや現代社会の多様な問題の本質を分析することができる」ようになることを目標とします。
 特に、受講者が市場経済、競争の意義、競争ルールの必要性・内容をおおよそ理解できること、それらを踏まえて現代社会の経済問題と競争ルールによる対応について他者に説明できるようになることを目標とします。

成績評価の方法および基準

 基本的に試験結果(70%)、レポート提出・発表等(30%)に基づき評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書なし
参考文献『経済法入門』泉水文雄有斐閣

準備学修の内容

 各講義のレジメを配布・LMS掲載するので、当該レジメを読んでください。
 レジメ記載の課題について、各自が検討し、レポート提出又は発表(適宜指名)してもらいます。
 なお、経済活動に係る新聞記事等を日常的に読むように努めてください。

その他履修上の注意事項

 授業中の私語を厳禁としています。

授業内容

授業内容
第1回 市場経済システムとは①
  -市場経済のはたらきを確認しよう-
第2回 市場経済システムとは②
  -市場経済のメリットを余剰分析で考える-
第3回 市場経済システムとは③(競争のメリット)
  -市場経済での競争の機能・メリットを考える-
  -市場経済を機能させる基本的ルール(所有権・契約・競争ルール)を考える‐
第4回 価格カルテルとは:独占禁止法による価格カルテル規制
  (価格カルテル=「みんなで一斉に価格を引き上げよう」)
第5回 入札談合とは:独占禁止法による入札談合規制
  (入札談合=「A社が高価格で工事受注できるよう協力しよう」)
第6回 共同ボイコットとは:独占禁止法による共同ボイコット規制
 業務提携(共同研究開発等)とは
第7回 再販売価格拘束とは:独占禁止法による再販売価格拘束規制
 (再販売価格拘束=「我が社の商品を小売店で安売りするな!!」)
第8回 これまでの復習:改めて競争のメリットと独占禁止法の必要性を議論しよう
第9回 テリトリー制とは/ネット販売制限とは:メーカーの流通コントロールと独占禁止法
第10回 市場閉鎖とは①:独占禁止法による排他行為(排他条件付取引)規制
  (排他行為:「ライバルと取引するな」)
第11回 市場閉鎖とは②:独占禁止法による排他行為(抱き合わせ等)規制
  (排他行為:「ライバルと取引するな」)
第12回 略奪的価格設定とは:独占禁止法による略奪価格設定規制
  (略奪価格設定:「コスト割れ販売でライバル排除した後に価格を上げよう」)
第13回 独占禁止法のエンフォース:公正取引委員会/調査手続/行政処分
第14回 いくつかの個別事例について、独禁法違反といえるか否かを議論しよう
 企業の法務部員・公取委審査官になったつもりで考えよう
第15回 まとめと試験