担当者 | 則武 輝幸教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [政治学科] | |
科目ナンバリング | ILA-306 |
国際安全保障法(2014年度までの国際法特講B)では、国際社会の平和と安全の維持に関する国際法について、最新の具体的事例を踏まえて、実証的に講義する。なお、この科目は2002年度までは4年次配当であったが、2003年度より3・4年次配当、2006年度より3年次配当となったので、3年生でも履修可能である。
①国際法のより高度な発展科目として、戦争・武力行使が違法なものとされていく歴史的な過程を理解できるようになる。
②国際法のより高度な発展科目として、国連の集団的安全保障制度や平和維持活動(PKO)の法的枠組みについて理解できるようになる。
原則として、期末試験100%で評価する。中間試験やレポートは実施しない(詳しくは第1回で指示する)。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 特定のテキストは使わないが、2012年度より則武担当の国際法Ⅰ(歴史・法源)、国際法Ⅱ(主体)、国際法Ⅲ(空間)、国際法Ⅳ(秩序維持)のメインテキストとして用いている渡部茂己・喜多義人編『国際法[第3版]』(弘文堂)の第15章「国際安全保障」およびサブテキストで用いている杉原高嶺他著『現代国際法講義[第5版]』(有斐閣)の第14章「武力行使の規制」ならびに2015年度より国際組織法Ⅰ・Ⅱのテキストで用いている渡部茂己・望月康恵編著『国際機構論(総合編)』(国際書院)の第3部第9章「安全保障」とかなり内容が重なるので、これらを持っている場合には、参考にして頂きたい。 | ||
参考文献 | 『国際連合の基礎知識(第42版)』 | 国際連合広報局編 | (関西学院大学出版会) |
参考文献 | 『国連の平和維持活動』 | 香西 茂 | (有斐閣) |
参考文献 | 『国連とPKO[第二版]』 | 福田 菊 | (東信堂) |
参考文献 | 『国際平和協力入門』 | 神余 隆博 編著 | (有斐閣) |
参考文献 | 『国連と日本』 | 河辺 一郎 | (岩波書店) |
参考文献 | 『国連新時代―オリーブと牙』 | 外岡 秀俊 | (筑摩書房) |
参考文献 | 『PKO新時代―国連安保理からの証言―』 | 川端 清隆・持田 繁 | (岩波書店) |
参考文献 | 『国連による平和と安全の維持―解説と資料』 | 横田 洋三 編著 | (国際書院) |
参考文献 | 『国連による平和と安全の維持―解説と資料 第2巻』 | 横田 洋三 編著 | (国際書院) |
参考文献 | 『集団安全保障の本質』 | 柘山 尭司 編著 | (東信堂) |
参考文献 | 『国連安保理の機能変化』 | 村瀬 信也 編 | (東信堂) |
参考文献 | 『ケースで学ぶ国連平和維持活動―PKOの困難さと挑戦の歴史―』 | 石塚勝美著 | (創成社) |
必ず教科書・プリント・ノートで予習・復習をして、自学自習の習慣を身に付けて頂きたい。
毎回、予習プリントと復習プリントを配布するので、必ず記入して提出すること(詳しくは、授業内で指示する)。
教室に座っていさえすれば単位がもらえると思っているならば、大間違いである。
①国際法Ⅰ(歴史・法源)、国際法Ⅱ(主体)、国際法Ⅲ(空間)、国際法Ⅳ(秩序維持)、国際人権法、国際政治学Ⅰ・Ⅱ、外交史Ⅰ・Ⅱ、国際組織法Ⅰ・Ⅱ、国際裁判所論Ⅰ・Ⅱ、国際関係論 Ⅰ・Ⅱ。ことに、国際法Ⅰ(歴史・法源)、国際法Ⅱ(主体)、国際関係論I・IIの単位を既に取得し、同じ3年次配当の国際法Ⅲ(空間)、国際法Ⅳ(秩序維持)、国際人権法、国際組織法I・II、国際裁判所論I・IIを並行して履修していることが、極力望ましい。
②毎日、新聞の国際欄を読んだり、テレビのニュースを見たりして、自発的に国際問題に対する関心を深めるよう、努力して頂きたい。
③特定のテキストは使わず随時プリントを配布して講義する。講義の初日と最終日のみ出席するようないい加減な受講態度では、単位の取得は望めない。「先生の話はだまって聞きましょうね」、「勝手にお外に出てはいけません」とは幼稚園児が習うことである。幼稚園児「未満」の振舞いは、厳に謹んで頂きたい。途中で出て行くつもりなら、初めから来なくてよろしい。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 特定の教科書は使わず、以下の順序で講義する。 オリエンテーション |
第2回 | 戦争の違法化① 近代国際社会の成立 |
第3回 | 戦争の違法化② 近代国際社会の成立(続き) 正戦論―jus ad bellumとjus in bello |
第4回 | 戦争の違法化③ 正戦論―初期の国際法学者(グロティウス以前) |
第5回 | 戦争の違法化④ 正戦論―初期の国際法学者(グロティウス) |
第6回 | 戦争の違法化⑤ 正戦論―初期の国際法学者(グロティウス以後) |
第7回 | 戦争の違法化⑥ 無差別戦争観の確立と戦時国際法の発展―戦時国際法の体系化 |
第8回 | 戦争の違法化⑦ 無差別戦争観の確立と戦時国際法の発展―交戦法規 |
第9回 | 戦争の違法化⑧ 無差別戦争観の確立と戦時国際法の発展―中立法規 |
第10回 | 戦争の違法化⑨ 無差別戦争観の確立と戦時国際法の発展―個人の戦争犯罪と国際刑事裁判所による訴追・処罰 |
第11回 | 戦争の違法化⑩ 国際連盟規約 不戦条約 国際連合憲章―武力による威嚇または武力行使の禁止 |
第12回 | 国際紛争の平和的解決 (詳しくは、国際裁判所論Ⅰ・Ⅱに譲る) 非司法的解決手続 司法的解決手続 |
第13回 | 国際連合の集団的安全保障制度① 勢力均衡政策とその破綻 国際連盟の集団的安全保障制度とその問題点 |
第14回 | 国際連合の集団的安全保障制度② 国連憲章の予定する集団的安全保障制度の特色 東西冷戦による集団的安全保障制度の機能不全 東西冷戦期の例外的適用事例 東西冷戦後の新展開 |
第15回 | 平和維持活動(PKO) 「戦わぬ軍隊」PKOの登場 基本原則 法的根拠 東西冷戦後の変化、 事例研究 今後の課題 地域的安全保障制度 軍縮・軍備管理 (プリントを配布して、自学自習に委ねる可能性あり) ただし、以上は大まかな予定であり、必ずしもこの通りに進行するとは限らない。 |