担当者 | 植月 学教員紹介 | |
---|---|---|
単位・開講先 | 選択必修 2単位 [史学科] | |
科目ナンバリング | ARC-217 |
考古学は遺跡から発見される遺構、遺物に関する総合科学である。その対象は広がり続けており、伝統的な土器や石器といった人工遺物の研究に加えて、骨や種などの動植物遺体の研究も普通に行われるようなっている。近年ではさらにDNA、脂質、タンパク質といった肉眼では確認できない痕跡から過去の暮らしや環境を解明するための手法も続々と開発されてきている。いわゆる「文系」出身者が多い考古学者には理解が困難な分野も多いが、遺跡から回収できる情報を少しでも多く、かつ正確にすくい上げるためには必要な知識である。そこで、本講義ではヒトや動物遺体、植物遺体を対象とする考古生化学(Biomlecular Archaeology)に焦点を当て、最新の研究動向を読み解いていく。春期は主に食物、後期は主に移動をテーマとし、毎回指定する課題論文を中心に解説する。対象地域は国内に限らず、世界各地のフィールドから先端的な研究を取り上げていく予定である。
①生物考古学に関する最新の動向、研究法を説明できる。
②論文を読んで内容を理解し、概要を説明できる。
③論文を批判的に読み込み、自分の意見を述べられる。
①は年間を通じて、②は主に春期で習得し、秋期には③ができるようになることを目指す。
毎回の課題論文に対する小レポート(40%)、期末レポート(60%)。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
---|---|---|---|
教科書 | |||
参考文献 |
課題論文を事前に配布する。取り上げる回までに読み込んで、自分なりの疑問点や問題点を小レポートにまとめて提出すること。
英語の論文を取り上げる場合もある。その場合は内容を解説したのちに、小レポートを作成してもらう。
回 | 授業内容 |
---|---|
第1回 | ガイダンス |
第2回 | 食性① 日本列島における食物の地域性(同位体分析1) |
第3回 | 食性② 食物の性差と階層差(同位体分析2) |
第4回 | 食性③ 食性から探る家畜化(同位体分析3) |
第5回 | 食性④ 家畜の管理 季節的移動(同位体分析4) |
第6回 | 食性⑤ 家畜の管理 給餌(同位体分析5) |
第7回 | 食性⑥ 土器の発明と用途(脂質分析1) |
第8回 | 食性⑦ 乳利用の始まり(脂質分析2) |
第9回 | 食性⑧ 種の同定(タンパク質分析) |
第10回 | 食性⑨ 歯石は語る(タンパク質分析) |
第11回 | 健康① 虫歯 |
第12回 | 健康② ストレス・マーカー(ヒト) |
第13回 | 健康③ ストレス・マーカー(動物) |
第14回 | 健康④ 伝染病 |
第15回 | まとめとレポート作成に向けた指導 |