行動分析学
担当者望月  要教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [教育文化学科]
科目ナンバリングEXP-304

授業の概要(ねらい)

 実験行動分析学 (The Experimental Analysis of Behavior) は20世紀に誕生した新しい学問である。その創設者であるB. F. Skinnerは,アメリカ心理学会により「20世紀の卓越した心理学者」の第1位に選ばれた。実験行動分析学は,生物の行動そのものを研究の対象とし,それを決定する環境との因果関係を明らかにしようとする。このアプローチは,物体の《運動》にだけ注目して,その法則を明らかにした物理学と共通している。この授業ではEABの背景をなす科学哲学である徹底的行動主義 (radical behaviorism) の特徴,EABの発展に大きく影響した研究テーマ,EABの応用である応用行動分析学 (Applied Behavior Analysis: ABA) について紹介する。

授業の到達目標

・EABの科学哲学的特徴ならびに歴史的背景について,自分なりの意 見を述べることができる。
・ABAの初歩的な概念を説明できる。

成績評価の方法および基準

 学期末試験の成績のみで成績を決める。試験は,あらゆる資料の持ち込みを認め,論述式問題で実施する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書テキストは使用しない。
参考文献『行動の基礎 (改訂版)』小野浩一(2016)培風館
参考文献『ポテンシャル学習心理学』眞邉一近 (2019)サイエンス社
参考文献『行動理論への招待』佐藤方哉(1976)大修館書店
参考文献『メイザーの学習と行動 (日本語版第3版)』ジェームズ・E. メイザー (2008)二瓶社
参考文献『行動変容法入門』ミルテンバーガーR.G. 園山繁樹・野呂文行・渡部匡隆・大石幸二(訳)(2006)二瓶社
参考文献『現代基礎心理学6 学習II その展開』佐藤方哉(編)(1983)東京大学出版会
参考文献『行動心理ハンドブック』小川隆(監修)(1989)培風館

準備学修の内容

 毎回の講義で取り上げる話題について,基本的専門用語の定義は予習して理解した上で授業に臨むこと。毎回の講義の後,ノートを整理し,参考文献を参照して講義内容への理解を深めること。

その他履修上の注意事項

 『学習心理学I・II』を履修済か,同時並行して履修していることが望ましい。

授業内容

授業内容
第1回授業方針の説明,参考書籍の紹介
第2回EABの特徴(1):実験と制御
第3回EABの特徴(2):意識の扱い
第4回心理学の歴史とEAB:Wundt,Watson,Skinner
第5回EABに影響を与えた思想:ダーウィニズム,操作主義,論理実証主義
第6回強化随伴性と強化スケジュールの復習
第7回オペラント・レスポンデント交互作用 (1)
第8回オペラント・レスポンデント交互作用 (2)
第9回スケジュール・パフォーマンスの制御変数: VIとVR (1)
第10回スケジュール・パフォーマンスの制御変数: VIとVR (2)
第11回ABA
第12回Small-Nデザイン
第13回行動観察記録法 (1)
第14回行動観察記録法 (2)
第15回まとめ