少年法
担当者堀田 晶子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [政治学科]
科目ナンバリングCRL-307

授業の概要(ねらい)

本講義では、少年非行の実態を分析するとともに、少年法の理念や仕組みを勉強する。少年法の適用年齢引き下げの是非が議論されている今日、改めて少年手続の在り方を見直す必要性に迫られている。具体的には、少年非行の実態や少年矯正の現状分析を通じて、非行の特質や背景等を多角的に捉える視座を養う。その一方で、少年審判の仕組みを正しく理解し、被害者の置かれた状況や手続参加の方法、加害者家族への働きかけの内容や警察・司法機関の対応等を検討する。また、少年矯正に関わる民間組織の活動も紹介する。授業を通じて、少年法の意義や役割を見直すとともに、その現代的課題を浮き彫りにする。

授業の到達目標

①少年法の理念や仕組みを理解し、少年手続の現状と課題を具体的に説明できる。
②少年非行の客観的分析を通じて、非行の実態や背景を多角的に捉える力を身につける。
③非行少年の処遇、被害に遭われた方々の現状と支援の必要性、警察・司法機関等の対応、民間組織の活動等を理解し、少年手続の全体像をイメージできる。
④少年法の意義や役割を問い、多様な意見を尊重しながら、自分の考えをまとめることができる。

成績評価の方法および基準

試験によって評価する。評価配分の目安は、試験90%、授業への貢献度10%である。授業への貢献度は、勉学に対する意欲や授業態度等によって総合的に判断する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書特に指定しない。授業では毎回レジュメを配布する。
参考文献『ビギナーズ少年法 〔第3版〕』(2017)守山正・後藤弘子〔編著〕成文堂
参考文献『少年法』(2015)川出敏裕〔著〕有斐閣
参考文献『少年法入門〔第6版〕』(2015)澤登俊雄〔著〕有斐閣
参考文献『司法福祉入門〔第2版増補〕』(2015) 伊藤冨士江〔編著〕上智大学出版

準備学修の内容

特に復習に力を入れてください。毎回の授業で扱ったテーマについて、レジュメやノートを読み返しながら、復習しましょう。疑問点が出てきたら、参考書を熟読し、適宜、学術論文等にもあたってみてください。法務省や警察庁など公共機関のHPも参考になります。自分で調べても答えが出ない問題については、友人と議論したり、教員に質問したりすると良いでしょう。図書館も大いに活用してください。

その他履修上の注意事項

①春期の「犯罪学」を同時に履修しておくことが望ましいです。また、秋期は「被害者学」と「刑事政策」を履修することをお勧めします。
②授業をよく聞いて、その都度レジュメに書き込むか、ノートを取るようにしてください。自分で書いて、理解することが大切です。授業の内容が聞き取れなかった場合は、あやふやのままにせず、すぐに教員に確認してください。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーションー少年法を学ぶにあたってー
第2回少年非行の現状と課題(後半はDVD鑑賞予定)
第3回少年法の基本理念と歴史
第4回少年法の目的と対象—成人事件との差異ー
第5回少年手続の概観/家庭裁判所の役割①
第6回少年手続の概観/家庭裁判所の役割②
第7回少年の刑事事件
第8回少年法改正の歴史
第9回少年審判と被害者①
第10回少年審判と被害者②
第11回前半まとめ
第12回少年矯正の現状①
第13回少年矯正の現状②
第14回更生保護と少年司法
第15回春期のまとめと試験