子どもの生活と遊び(自然との関わり)
担当者草野 いづみ教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [初等教育学科 こども教育コース]
科目ナンバリングESS-215

授業の概要(ねらい)

子どもは周囲の環境から影響を受け、また自ら環境に働きかけるという環境との相互作用を通じて成長する。子どもの育つ環境には、広くは地球環境、周囲の自然環境、園やその周辺の環境など物理的環境に加えて社会環境や地域の文化的環境、家庭や保育園などでの人的環境も含まれる。子どもは、そのような自身の生活する環境の中で遊びを通して身体的・心理的に発達し、知性を身につけていく。本授業は、とくに自然と子どもとの関わりに焦点を当て、子どもが周囲の環境と関わりながら好奇心・探究心を育み、人間関係を形成しながら成長・発達していく過程について実践的に探求することを目的とする。そうした子どもの成長の過程を保育者がどのように支援するかを具体的に考えていく。教材としては野菜栽培や周囲の自然探し、季節を味わう伝統行事などの体験から、それらを取り入れた保育実践を考える。さらに環境問題や異文化交流など、広い意味での子どもの「生活と遊び」について考えていきたい。

授業の到達目標

子どもがその生活と遊びにおいて、知的好奇心や探究心を育てる保育力を養うため、自らが環境に積極的かつ意識的に関わる姿勢をもち、そこでの発見や体験を保育に応用していけるような態度を身につける。周囲の自然や環境問題に関心をもち、子どもの安全を守る意識を高める。

成績評価の方法および基準

平常点(授業への参加態度)35%。活動・観察記録レポート65%。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献授業時に資料を配布するとともに参考文献を随時紹介する。

準備学修の内容

日頃から自分の住む地域の環境(自然、歴史、文化、伝統を含む)について関心をもちつつ歩いてみる。実習やボランティアの際に保育園や幼稚園の園内の自然環境について観察・考察するなど周囲にアンテナを巡らせ、意識的に行動しましょう。

その他履修上の注意事項

実習・演習を含みますので、積極的に体と頭を働かせて自ら授業を作っていってください。作業中心なので遅刻しないこと。
畑に入っての作業など野外活動が多いため、動きやすく、汚れても良い服装でくること。軍手必須。
長靴や農機具などいろいろな道具を使うので、片付けをきちんと行うことを徹底する。
授業の記録にスケッチブックが必要です。期末課題提出は記録したスケッチブックと振り返りレポート。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション:授業の内容や参考文献等の説明。野菜栽培のグループ編成。期末に提出する課題の説明。
第2回秋の野菜栽培:土作り、畝作り、種まきなど。大根、水菜、ホウレン草、カブなどの種をまく。
 →野菜栽培は後期終了まで継続し、毎回作業(除草、潅水、間引き、追肥、収穫など)があります。
第3回地域の自然と子どもの環境について:大学周辺の「秋探し」。植物の観察、採集、名前調べ。昆虫の観察など。「秋探し」は継続的に行う。
秋という季節を味わい、季節感をどのように保育に取り入れるかを考える。
第4回野菜等をテーマとしたパネルシアター制作と上演(グループで)。
第5回春から栽培してきたサツマイモの収穫を行う。
第6回サツマイモをを材料としてスケッチ、リースや芋版を作る。
第7回スイートポテト作り。
第8回秋探しでみつけたドングリなど木の実や草花を利用して園に飾るオブジェを制作する。①
第9回秋探しでみつけたドングリなど木の実や草花を利用して園に飾るオブジェを制作する。②
第10回畑とその周囲を観察して、秋〜冬の季節の変化を味わう。木々の変化、畑の雑草の変化、昆虫の変化、モグラの盛り土・・・。
第11回冬の伝統行事について知る。クリスマス、年越し、お正月、節分など。
第12回大根など野菜の収穫。「冬」という季節について、自然の風物(畑の霜柱、植物の様子、富士山の見え方、外の水道の水の感触など)や、伝統行事などから考える。「冬」を味わう。
第13回クリスマス行事を実施。企画と模擬保育。
第14回残りの収穫と畑や作業に用いた道具の片付け。
第15回まとめ。振り返りレポートを書く。記録スケッチブックとともに提出する。