心理学研究演習Ⅰ
担当者草山 太一教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [心理学科 2018年度以降]
科目ナンバリングSEM-301

授業の概要(ねらい)

 私たちは、取り巻く外的環境や自分自身の内的状態をどのように認知するのでしょうか?そのような仕組みや成立過程を知ることは、ヒトの「心」を理解する一助となります。この種目では、ヒトとヒト以外の動物(特にげっ歯類と鳥類)を対象に、他者の心的状態を仮定・推察することについて実験的な検討を行います。

 研究プロジェクトとして主なテーマは次の通りです。
 ①ヒト以外の動物の共感性
 「同一の目的を果たすために協力することができる?」「他個体の心的状態を理解し、援助できる?」
 ②モチベーション・ビデオの有効性
 「動画を視聴することによって、モチベーションは高められる?」
 ③非生物に対するメンタライジング
 「非生物に“こころ”があるように見えるためにはどのようなデザインになる?」

 これらのテーマの枠内で、研究計画立案のために必要な文献の講読、実験のデザイン、そして、データを収集し、関連する文献を参考に結果をまとめることが課題となります。

 ①について、利己的な行動は短期的には有利ですが、より長期的な視野に立てば、他者と協力することが重要となります。ヒト以外の動物の協力行動を調べることは、私たちヒトの在り方を考えることにつながると考えられます。また②のモチベーション・ビデオについては、スポーツ場面だけでなく、実生活の様々な状況への応用が期待できます。③のメンタライジングの検討は、今後にさらに普及することが想定されるロボットに親しみを持たせるような外観デザインにつながると考えられます。これらを通じて、他者の心的状態を推察する「こころ」の仕組みの統合的な解明を目指します。

授業の到達目標

 自ら立てた実験計画又は調査計画に基づいて収集したデータを分析し、考察し、文章化するという一連の流れを体験的に理解することで、データ収集の方法やデータ分析技能はもとより、科学的思考力、問題解決能力、文章表現力、コミュニケーション能力など総合基礎力を修得します。

成績評価の方法および基準

 研究への積極的な参加、研究の創意工夫など、研究に対するの貢献を評価します。また学期末に研究成果をまとめてレポートとして提出することを求め、これを評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献

準備学修の内容

 授業時間は、主に研究計画や進捗状況、研究成果の検討に当てられます。研究の準備、実施、データ分析などの作業は、授業時間外に、学生諸君が自主的に行うことが求められます。

その他履修上の注意事項

 実際の実験や観察段階に入ると時間割上の授業時間だけで行えるものではなく、それ以外の時間でも、自らが時間を作って研究を進めていく必要があります。また、学内外での実験協力者を募る場合は、倫理的問題や社会的責任を忘れないで欲しいです。
 研究対象として、動物を選ぶかどうかは、動物のアレルギーの有無や、それぞれの希望に応じて進めたいと思います。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
第2回研究論文の講読などを通じて、テーマを決めて、実験の準備に着手する。
第3回研究論文の講読などを通じて、テーマを決めて、実験の準備に着手する。
第4回研究論文の講読などを通じて、テーマを決めて、実験の準備に着手する。
第5回予備実験を実施する。テーマに関連した研究論文の発表を行う。
第6回予備実験を実施する。テーマに関連した研究論文の発表を行う。
第7回予備実験を実施する。テーマに関連した研究論文の発表を行う。
第8回研究の進捗状況について発表する。
第9回研究を進める。テーマに関連した研究論文の発表を行う。
第10回研究を進める。テーマに関連した研究論文の発表を行う。
第11回研究を進める。テーマに関連した研究論文の発表を行う。
第12回研究を進める。テーマに関連した研究論文の発表を行う。
第13回研究を進める。テーマに関連した研究論文の発表を行う。
第14回研究を進める。テーマに関連した研究論文の発表を行う。
第15回研究の進捗状況について発表する。