心理演習Ⅱ
担当者大塚 秀実教員紹介, 尹  成秀教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [心理学科 2018年度以降]
科目ナンバリングCLI-305

授業の概要(ねらい)

 心理演習は、国家資格である公認心理師受験に必要な単位である。
 心理演習Ⅱでは、心理演習Ⅰで身につけた知識とスキルをもとに、具体的な場面を想定し、心理に関する支援を要する者等の支援の実際、多職種連携について学ぶことを目的とする。
 公認心理師の業務の一つである心理検査について学び、ロールプレイを実施する。心理検査は、乳幼児から高齢者まで幅広く知識やスキルを修得することが必要である。心理検査は実施の工夫のみならず、要支援者もしくはその家族に結果をフィードバックして役立ててもらうことが大切である。そのため、心理検査を通じて、心理に関する支援を要する者等の理解を深めニーズを把握し、支援計画の作成し、支援を実施するまでが、公認心理師の業務として求められることである。支援計画作成には、要心理支援者の理解やニーズを把握するだけではなく、支援するための方法を複数修得していくことが必要となる。また、公認心理師のみならず様々な多職種と連携して支援を行う際には、心理以外の職種に理解してもらえるような文章や表現が必要となる。要支援者の支援には、チームアプローチが必要となることも多い。とくに病院や施設における支援から、現実に生活を送っていくことを考えたとき、具体的に何が必要で何をするべきか、多職種で話し合い連携して支援にあたることになる。そのため、チームアプローチとは何か、チームで支援するとはどのようなことであるか、ということについて理解し学ぶことが必須である。上記のような公認心理師の業務について学び、職業倫理や法的義務について葛藤が生ずる場面の事例検討を行うことで理解を深めることとする。
 心理演習Ⅰ(前期)で面接と地域支援・地域連携の実際、Ⅱ(後期)で心理検査と支援計画の立て方を学び、その両者においてチームアプローチと連携の視点を入れるという構成となっている。

授業の到達目標

 本学における心理演習は、心理学に関する知識を活用し、公認心理師としての知識および技法の基本的な水準の修得を目的とする。そのために、心理に関する支援を要する者の立場になって考えることができるようになるための知識の修得を目指す。また同時に、公認心理師としての職業倫理及び法的義務を学ぶことにより、心理支援を必要とする者等への支援に関する基本を理解できるよう学ぶこととする。

成績評価の方法および基準

 授業への積極的態度(20%)、授業における課題(50%)、最終レポート(30%)

準備学修の内容

 毎回指定する論文を読み、ディスカッションの準備をしてくること

その他履修上の注意事項

・授業には積極的に取り組むこと
・ 臨床の問題について取り扱うことになるので、倫理を犯さないよう気を付けること
・倫理違反があった場合には、単位取得はならない
※心理学科の公認心理師プログラムの履修が許可された学生のみが選択できる。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス:公認心理師の仕事について考える
第2回心理検査の目的・心理検査の倫理・テストバッテリーについて学ぶ 
第3回田中ビネーⅤについて学ぶ
第4回田中ビネーVの練習を実施する
第5回田中ビネーⅤのロールプレイの検討会を実施する①
第6回田中ビネーⅤのロールプレイの検討会を実施する②
第7回田中ビネーⅤのロールプレイの検討会を実施する③
第8回田中ビネーⅤの所見の書き方とフィードバックの方法について学ぶ
第9回事例検討会①子どもの事例から親との関わり、児童虐待などについて学ぶ
第10回事例検討会②思春期の事例からスクールカウンセリングについて学ぶ
第11回教員、親、スクールカウンセラーのロールプレイを実施する
第12回事例検討会③青年期の事例から自立を学ぶ
第13回事例検討会④産業労働場面における事例から医療との連携について学ぶ
第14回事例検討会⑤高齢者の事例から医療や地域との連携を学ぶ
第15回まとめにかえて:公認心理師の役割について考えたこととは何か?