税法Ⅰ
担当者𠮷田 貴明教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [法律学科 2018年度以降]
科目ナンバリングPUL-303

授業の概要(ねらい)

 私たちが日々暮らしていくうえで、租税は密接に関係しています。租税を避けて社会生活を営むことはできないと言っても、過言ではないでしょう。しかし、身近にある租税について、私たちは十分に理解できているでしょうか。そもそも、私たちはなぜ租税を納めているのでしょうか。
 この授業では、このような租税の意義を学ぶとともに、租税法規とりわけ所得税法に関する基本的なしくみについて、判例を参照しながら検討していきます。

授業の到達目標

 以下の2点を目標とします。
①租税法理論および所得税法の基本的な概念・理論を理解すること。
②租税行政をめぐる諸問題に関する基本的な考え方を理解し、単なる税額計算にとどまらない租税法規の運用能力を修得すること。

成績評価の方法および基準

 学期末試験により評価します。
 なお、授業内で小テストを実施する場合がありますが、これは成績評価には影響を与えない復習教材として用いることとします。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『租税法概説(第3版)』 中里実ほか編(有斐閣)
参考文献『租税法(第23版)』 金子宏(弘文堂)
参考文献『租税判例百選(第6版)』 中里実ほか編(有斐閣)
参考文献『租税法判例六法(第4版)』 中里実=増井良啓(有斐閣)

準備学修の内容

 この授業では、テキストに従って講義を進めていきます。そのため、テキストを用いて予習・復習を行ってください。
 予習:テキストの指定範囲をあらかじめ読み進め、わからない用語等があれば参考文献で確認しておいてください。
 復習:理解が十分でない点を中心に、講義において取り扱った箇所をテキストやノートにより見直してください。

その他履修上の注意事項

 コンパクトサイズの六法には租税法規が掲載されていません。そのため、授業には、『租税法判例六法』等の租税法規が掲載されている文献を持参したり、インターネット等で閲覧する準備をするなど、適宜条文を参照できるような態勢を必ず整えてから授業に臨んでください。
 なお、租税法の学修には、憲法、民法、会社法、行政法といった法律科目の理解を必要とする部分があります。また、所得税法や法人税法の学修には、会計学(企業会計法)の知識が有用です。これらの科目を事前に、または、並行して履修することが望ましいでしょう。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション
 租税の意義、租税法を学ぶ意味
第2回租税法序説1
 現代国家と租税制度
第3回租税法序説2
 租税法の定立過程1—租税法律主義
第4回租税法序説3
 租税法の定立過程2—租税公平主義、自主財政主義
第5回租税法序説4
 租税法の解釈
第6回所得税法1
 所得概念
第7回所得税法2
 課税単位
第8回所得税法3
 利子所得、配当所得、譲渡所得1
第9回所得税法4
 譲渡所得2
第10回所得税法5
 山林所得、不動産所得、給与所得1
第11回所得税法6
 給与所得2、退職所得、事業所得
第12回所得税法7
 一時所得、雑所得
第13回所得税法8
 収入金額
第14回所得税法9
 必要経費
第15回総括
 租税法序説、所得税法