西洋史籍講読1C-Ⅱ
担当者
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングHEA-210

授業の概要(ねらい)

 イタリア・ルネサンスの古典から、ダンテとマキアヴェリの作品を読む。
 ダンテ「神曲」は中世ヨーロッパ最大の叙事詩で、古典古代の伝統とつながるだけでなく、当時のフィレンツェやローマ教皇に対する厳しい政治的批判をも含んでいる。マキアヴェリ「君主論」は、権謀術数を意味するマキアヴェリズムで知られるが、中世の理想君主論を脱して冷徹な現実から出発し、イタリアにおける国家権力のあり方を模索して、近代政治学の出発点とみなされる。
 これらの読解を通して、人間と政治社会のかかわりを、当時の歴史的背景に照らして考察する。

授業の到達目標

 テキストの一字一句を厳密に読み、歴史的背景をふまえながら、その意味を正確に理解できること
 提示された論点について自分なりの解釈をまとめ、グループ討論で積極的に意見を交わせること
 以上を通して、日本語を読む・書く・聴く・討論する・発表するという、日本語の総合的な運用能力を高めること

成績評価の方法および基準

 毎回の予習課題の発表、およびグループ討論と全体発言における積極性による

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書「君主論」マキアヴェッリ中公文庫
教科書「神曲・地獄篇」ダンテ河出文庫(プリント配布)
参考文献
参考文献

準備学修の内容

 次回のテキストの範囲を読み、予習課題を必ずこなしてくること
 発声練習を自宅で毎日行うこと

その他履修上の注意事項

 授業の冒頭で発声練習を毎回行う
 90分間ぼんやりしている暇はないので、集中力を切らさないこと

授業内容

授業内容
第1回夏休みの読書発表
キケロと古代修辞学
第2回キケロ「カティリーナ弾劾」の読解と朗読
第3回ダンテとその時代・「神曲」入門
地獄篇(1)ダンテとウェルギリウス
第4回地獄篇(2)地獄の門と三途の川
第5回地獄篇(3)ダンテと古代詩人たち・オデュッセウス像の革新
第6回地獄篇(4)フランチェスカとパオロ
第7回地獄篇(5)フィレンツェ批判
第8回地獄篇(6)ローマ教皇批判
第9回マキアヴェリとその時代
「君主論」は誰のために書かれたか
第10回第1~6章:武器なき預言者サヴォナローラ
第11回第7~10章:理想の君主チェーザレ・ボルジア
第12回第12~14章:マキアヴェリの軍制改革と軍隊論
第13回第15~18章:君主の美徳と悪徳について(その1)
第14回第19~23章:君主の美徳と悪徳について(その2)
第15回「私のマキアヴェリ語録」発表会