担当者 | 石川 敬史教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択必修 2単位 [史学科] | |
科目ナンバリング | HEA-208 |
この授業は、近代以降の日本にとって最もつきあいの古い国家であるアメリカ合衆国の歴史を概観するものです。高校までの世界史の授業では、アメリカ史を学ぶ機会は少ないですし、日本の大学全般を眺めてもアメリカ史の授業は多くはありません。帝京大学の史学科に入学したのを好機として、アメリカ合衆国の通史を学びましょう。
アメリカ合衆国が成立した歴史的経緯を知り、その建国の理念が、アメリカ合衆国の内政的事情と外交的立場の変化によって、どのように展開してきたのかを学修します。(※大学での学びを「学修」といいます。)
アメリカ合衆国は18世紀に独立した国家ですから、その歴史は日本史あるいは悠久の東洋史と比較するとはるかに短いものです。しかしとても「歴史的」な国家がアメリカ合衆国です。その短い歴史には、世界史が凝縮されていると言っても過言ではありません。
後期にあたる西洋史特殊講義5CーⅡでは、南北戦争後から現代までのアメリカ合衆国の歴史を射程とします。
アメリカ合衆国に関する情報は、メディアを通じて日々大量に目にする機会がありますが、この授業を通して、それらの情報を読み解く歴史的な視点を修養します。
アメリカ合衆国の今日的な状況の背景に存在する、歴史的な経緯を説明できるようになります。
二回の小テストによる評価20%
授業最終日に行う試験による評価80%
※小テストの日程については、授業の進行状況によって調整が必要となるため、授業内で指示します。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 教科書は特に指定せず、項目ごとにレジュメ・資料を配布します。 | ||
参考文献 | 『アメリカ政治外交史[第二版]』(2012年) | 斎藤眞・古矢旬 | 東京大学出版会 |
前の講義時に配布したレジュメ・資料の内容を確認しておいてください。
何を理解し、何が分からなかったかを明らかにしておいてください。
授業で紹介した文献の該当箇所を読んでおいてください。
大学で初めて学ぶことばかりですから、復習に重点をおいた学修に取り組んでください。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス 1.南北戦争後のアメリカ合衆国の概観 2.この講義の狙いと意義、単位認定方針についての解説 |
第2回 | 金ぴか時代 1.共和党政権と工業化 2.レッセ・フェールと社会進化論 3.不満の組織化の失敗 4.危機的状況とポピュリズム |
第3回 | 革新主義の時代 1.革新主義とは何か 2.革新主義時代の大統領―ローズベルト、タフト、ウイルソン 3.様々な改革 |
第4回 | 海洋帝国の構想 1.フロンティアラインの消滅 2.米西戦争と海洋帝国構想 3.太平洋のアメリカ合衆国 |
第5回 | これまでの授業の総括 小テスト(30分) |
第6回 | 第一次世界大戦とアメリカ合衆国 1.第一次世界大戦参戦とその顛末 2.「平常への復帰」と大衆社会 |
第7回 | 世界恐慌 1.恐慌の到来 2.都市政党としての民主党の変容 3.無策に継ぐ無策 |
第8回 | ニューディール政策 1.1932年の大統領選挙 2.ニューディール政策とは何か 3.第二次ニューディールとローズベルト連合 |
第9回 | 第二次世界大戦とアメリカ合衆国 1.ローズベルト政権の対外政策 2.第二次世界大戦 3.ローズベルトからトルーマンへ |
第10回 | 冷戦とアメリカ合衆国 1.冷戦とフェア・ディール 2. 赤狩りの時代 3. アイゼンハワー政権とケネディ政権 4. 人種問題とヴェトナム戦争 |
第11回 | 公民権運動 1.ジム・クロウ体制と公民権運動への自覚 2.上からの公民権運動と下からの公民権運動 3.キング牧師とマルコムX |
第12回 | これまでの授業の総括 小テスト(30分) |
第13回 | 冷戦の終結と唯一の超大国へ 1.帝国としてのアメリカ合衆国再考 2.グローバリズムとアメリカニズム 3.様々な蠢動 |
第14回 | 21世紀のアメリカ合衆国 1.2000年の大凡戦から9.11事件へ 2.イラク戦争下の保守政治 3.2008年の金融危機とオバマ政権の誕生 |
第15回 | 授業の総括 試験(60分) |