西洋史特殊講義4C-Ⅰ
担当者藤本 啓助教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングHAA-209

授業の概要(ねらい)

 古代オリエントの歴史を概観します。楔形文字の粘土板をはじめとする原典史料を読み解きながら、主に古代メソポタミア人のもたらした官僚機構、社会制度、信仰体系などについて講義します。今年度、Ⅰでは、メソポタミアの前3千年紀~前2千年紀前半に焦点を当て、政治・経済・社会について講義します。

授業の到達目標

 今、私たちを悩ませている様々な社会矛盾の芽が遠い過去にさかのぼるものであること、およびそれが生じた背景を理解し、自分の言葉で語れるようにすることを目標とします。

成績評価の方法および基準

 中間テストと期末レポートの成績を総合して評価します。レポートの点数にやや重きを置きますが、基本的に両者の合計点のみが評価対象です。出席は取りませんが、授業をろくに聞かずに単位を取ることはほぼ不可能であろうと思われます。評価は厳しいので、特に就職を控えた4年生は十分検討の上、受講してください。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書教科書は使用せず、毎回の授業で配布するプリントの中で、随時参考文献を紹介します。
参考文献世界の歴史①人類の起源と古代オリエント大貫、前川、渡辺、屋形中公文庫
参考文献メソポタミア文明入門中田一郎岩波ジュニア新書

準備学修の内容

 プリントで紹介された参考文献の該当箇所を熟読しておくこと。

その他履修上の注意事項

 受講生の多くはこの分野にあまりなじみがないと思われるので、できる限りわかりやすく説明するつもりです。ただし、やる気も努力する気もなく、安易に単位だけ取ろうと思っている学生には退屈で厳しい授業となりますので、受講をすすめません。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
第2回通史概説(1)農耕のはじまり、都市の成立と発展
第3回通史概説(2)統一国家の形成
第4回灌漑農業
第5回楔形文字の発展
第6回粘土板と書記術
第7回王権と社会正義
第8回前半の講義のまとめ・補足
第9回中間テスト
第10回「個別化の時代」としての古バビロニア期
第11回法典にみる婚姻
第12回法典にみる相続
第13回古バビロニア期の「修道女」
第14回アッシリア商人の活躍
第15回後半の講義のまとめ・補足
(特に補足が無い場合の講義テーマ:「マリ王宮の女たち」)