担当者 | 高田 孝二 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [心理学科 2018年度以降] | |
科目ナンバリング | PSS-302 |
精神薬理学Ⅰに引き続き、薬物効果を通してみたこころのはたらきについて考えます。はじめに、「Ⅰ」で詳しく紹介した、薬物が効果を発揮するメカニズムについて簡単におさらい・追加します。ついで、「不安」や「うつ」、「強迫」という状態、それらの動物モデルやその背景(妥当性)、用いられる治療薬の作用機序などについて紹介します。この後、薬物乱用や薬物依存をテーマとして、薬物乱用の現状や、覚せい剤などの乱用薬物のみならず、酒(アルコール)、たばこ(ニコチン)、茶(カフェイン)など嗜好品について紹介するとともに、ギャンブルやインターネットゲームなど「嗜癖性障害」(行動嗜癖;行動のアディクション)についても取上げます。最後に、依存性物質を含め、親の化学物質の摂取や暴露(例えば内分泌かく乱物質<いわゆる環境ホルモン>)が次世代の脳機能に及ぼす影響について紹介します。
(1)われわれが日常的に接しているくすりの作用について理解を深める。
(2)様々な薬物(物質)が心や行動に与える影響やその背景について理解する。
(3)こころのはたらきを捉える方法論について学ぶ。
授業への参加度(20%)、期末試験(80%)
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 教科書は使用しない。資料を配布する予定である。 | ||
参考文献 | ピネル バイオサイコロジー 脳−心と行動の神経科学 | J.Pinel | 西村書店 |
参考文献 | 実践行動薬理学 | 日本薬理学会 | 金芳堂 |
参考文献 | 行動薬理学の実践 | 田所作太郎(監) | 星和書店 |
事前にパワーポイントの資料に目を通しておくこと。授業後は、資料を用いて復習すること。
また、嗜好品を含め、身の回りにある様々な物質が自分やひとのこころにどのような影響を与えているのかを考え、観察し、そのメカニズムを考える癖をつけてください。
「7」に掲載の各回の授業内容はあくまで目安です。授業の進み具合に応じて内容を変更することがあります。
精神薬理学Ⅰ を受講していることが望ましい。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス、春学期の復習・追加1:行動薬理学とは、薬物動態 |
第2回 | 春学期の復習・追加2:情報の神経伝達、耐性・逆耐性 |
第3回 | 不安とは 抗不安効果の検出法・動物モデル(1) |
第4回 | 不安とは 抗不安効果の検出法・動物モデル(2) |
第5回 | うつ病とは 抗うつ効果の検出法・動物モデル(1) |
第6回 | うつ病とは 抗うつ効果の検出法・動物モデル(2)、うつ病と腸内細菌:脳腸相関 |
第7回 | 物質依存 1)歴史、概念、用語解説 2)身体依存の検索法 |
第8回 | 物質依存 3)精神依存の検索法 1 脳内自己刺激、薬物自己投与 |
第9回 | 物質依存 4)精神依存の検索法 2 条件性場所選好、薬物弁別 |
第10回 | 物質依存 5)渇望の動物モデル、性差 |
第11回 | 物質依存 6)ヒトにおける検索法 行動嗜癖 |
第12回 | 発達神経行動毒性:親の化学物質摂取・暴露が次世代の脳機能に及ぼす影響 1)歴史 |
第13回 | 発達神経行動毒性:親の化学物質摂取・暴露が次世代の脳機能に及ぼす影響 2)乱用薬物、内分泌かく乱物質 |
第14回 | 動物実験の倫理 まとめ |
第15回 | 期末試験 |