日本史特殊講義2C-Ⅰ
担当者佐伯 智広教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングJPH-203

授業の概要(ねらい)

 日本の政治史上、古代と中世を分けるものと考えられているのは、摂関政治から院政への移り変わりです。院政が開始される背景には、男系主義・嫡系主義の成立という、家族のあり方の変化があります。この、男系主義・嫡系主義は、現代の天皇制に受け継がれ、また、夫婦別姓の問題などにも影響を及ぼすなど、現代の私たちの生活にも、深く関わる問題です。
 本講義では、皇位継承のあり方の変遷や、院政の成立がその後の政治史に及ぼした影響について見て行くことで、中世前期の政治の特質や、中世社会と現代との関わりについて考えていきます。

授業の到達目標

皇位継承のあり方の変遷と、それが政治史に及ぼした影響について、史料に基づいて説明できるようになる。
現代社会などと比較しながら、中世の政治について主体的に考えることができるようになる。

成績評価の方法および基準

予習シート 30%
期末レポート70%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書なし
参考文献院政 もう一つの天皇制美川圭中央公論新社
参考文献中世前期の政治構造と王家佐伯智広東京大学出版会
参考文献皇位継承の中世史 血統をめぐる政治と内乱佐伯智広吉川弘文館

準備学修の内容

予習として、予習シートに指定されたキーワードについて調べ、意味を記入する必要があります。
復習として、板書のノート整理を行う必要があります。

その他履修上の注意事項

なし。

授業内容

授業内容
第1回現代社会と世襲
第2回女帝と皇位の世代内継承
第3回皇位の直系継承と摂関政治
第4回皇位の直系継承と院政
第5回院政期の政治構造と皇位継承
第6回鳥羽院政期の皇位継承問題
第7回皇位継承と保元の乱
第8回皇位継承と治承三年政変
第9回皇位継承と源平合戦
第10回皇位継承と源頼朝
第11回皇位継承と承久の乱
第12回鎌倉幕府による皇位継承介入
第13回両統迭立の開始
第14回皇位継承問題と南北朝内乱
第15回皇位と権力の分離