担当者 | 中村 晋教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択必修 2単位 [初等教育学科 初等教育コース] | |
科目ナンバリング | SNE-101 |
【各科目に含めることが必要な事項・特別支援教育の基礎理論に関する科目】
一人一人の教育的ニーズを把握した適切な教育的支援の重要性やこれまでの「特殊教育」では対象とされなかったLD・ADHD・知的な遅れのない自閉スペクトラム症等の幼児児童生徒への支援の必要性などの新しい課題に基づいて、「特殊教育」を継承発展させた「特別支援教育」が実施されている。
本授業は、この「特別支援教育」の基礎理論について論ずることによって、これまでの特殊教育とは異なる「特別支援教育」に関して正しい理解をはかり、支援を必要とするすべての幼児児童生徒に効果的な指導を行うことができるようにすることを目的とする。
併せて、共生社会の形成に向けた「インクルーシブ教育システム」の理念と方向性について基本的理解をはかる。
・特別支援教育の背景や大きな視野に立って学校教育に位置付いたことを理解し、特別支援教育の制度を説明することができる。
・特別支援教育における障害のある幼児児童生徒個々の教育的ニーズに具体的に対応していくための支援の方法に関して理解を深め、障害の特性に応じた教育内容を説明することができる。
・特別支援教育の現状と課題を理解し、今後のインクルーシブ教育の展開について意見を述べることができる。
レボート(10%)・試験(90%)を総合して評価する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 特定のテキストは使用せず、その都度必要な資料等を配布する。 | ||
参考文献 | 文部科学省『特別支援学校学習指導要領解説・総則等編(幼稚部・小学部・中学部)』 文部科学省『特別支援学校・高等部学習指導要領』 文部科学省『特別支援学校学習指導要領解説・各教科等編(小学部・中学部)』 文部科学省『特別支援学校学習指導要領解説・自立活動編(幼稚部・小学部・中学部)』 |
教育法令(教育基本法、学校教育法、学校教育法施行規則等)及び上記参考書を通して、特別支援教育の法的根拠の修得に努める。毎授業で得られた知識及び考えを整理し、疑問点やさらに理解を深めたいことについてまとめる。
・障害者の教育や福祉に関する社会の動きに関心をもち、自ら調べ、問題点をまとめ、把握する。
・幼児期から学齢期及び生涯にわたって生きることの困難さを抱えた人の自立と社会参加を支援する視点に立ち、学校教育現場のみならず、様々な社会的な環境において必要な配慮について考えて欲しい。
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション(授業の目的と内容及び進め方、参考書、評価の方法等について) ICFにおける生きることの困難さと障害 |
第2回 | 特別支援教育の理念と基本的な考え 特殊教育から特別支援教育への転換 国際的な動向(障害者権利条約とインクルーシブ教育) |
第3回 | 障害のある子どもの教育の歴史と制度 特別支援教育の現行制度(関連法令と学習指導要領) |
第4回 | 特別支援教育の対象① 感覚障害(視覚・聴覚)の理解と教育的対応 |
第5回 | 特別支援教育の対象② 運動障害(肢体不自由や重度・重複)の理解と教育的対応 健康(病弱・身体虚弱)に障害のある子どもの理解と教育的対応 |
第6回 | 特別支援教育の対象③ 知的障害の理解と教育的対応 |
第7回 | 特別支援教育の対象④ 発達障害の理解と教育的対応(LD・ADHD) |
第8回 | 特別支援教育の対象⑤ 発達障害の理解と教育的対応(ASD:自閉スペクトラム症) |
第9回 | 特別支援教育の対象⑥ 多様な状態を併せもつ子どもの理解と教育的対応(学習困難・ギフテット等) |
第10回 | 支援システム 特別支援教育コーディネーターと特別支援学校のセンター的機能 |
第11回 | 「個別の教育支援計画」と「個別の指導計画」によるニーズに応じた教育 専門機関や地域との連携 |
第12回 | 特別支援教育における諸問題について① 子どもの尊厳の尊重と主体性の支援 障害と人権(差別・虐待・体罰) |
第13回 | 特別支援教育における諸問題について② 保護者との連携 教員指導体制(チーム・ティーチングと同僚性) |
第14回 | インクルーシブ教育の動向と今後の展望 基礎的環境整備と合理的配慮 ユニバーサルデザイン |
第15回 | まとめ及び試験 |