日本史概説Ⅱ(教職)
担当者高橋 裕史教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングESS-202

授業の概要(ねらい)

国際語Lingua francaである英語の知識と運用能力の必要性と不可欠性が、日本社会において声高に主張されて久しく、また実際に高度な英語力を駆使して各界で活躍する日本人も大勢輩出されて来ている。その一方で、日本の文化や歴史に関する知識不足が原因で、欧米人から日本の事を尋ねられても、満足に返答できずに苦い経験や、恥ずかしい思いをした、と述回する日本人も少なくない。高校での日本史が選択科目として設定されたことも、このような事態を招いた要因の一つでもあろう。我が国の基本的な歴史の流れを知り理解することは、決して「右寄り」な考えでもなければ姿勢でもなく、歴史認識の有無あるいは在り方その他が問われてい世にあって、日本の歴史を知ることは、極めて現実的な課題でもある。ましてや、教職資格を取得して、これからの日本を担う中高生を「育む」ことを目指している、教職志望の諸君にとって、日本史の概略を知ることは、必須の素養である。そこで本講義では、上述した問題意識に立脚して、原始時代~4近現代に至る長大な日本と日本人の「歩み」と「試行錯誤」の歴史を、政治・文化・外交・社会その他、様々な切り口から取り上げて、その時代時代における日本の歴史の論点を考えて行くことにする。限られた回数の中で、取り上げられる論点は多くはないが、それでも本講義全体を通して、日本の歴史の主要な流れについて、大学卒の肩書を有することになる皆さんにとって、それに相応しい知識を提供することが出来るものと考えている。

授業の到達目標

・中学校および高等学校での教育実習に求められる、最低限の日本史の知識を習得し、それに基づいて模擬授業を実施することが出来るようにすること。
・これまでの自分の歴史学習の方法と在り方を、「暗記する歴史」から「考える歴史」「発見する歴史」へと成長・発展させること。
・講義で論じる頂戴な時代と多様な領域の中から、自分の「生涯教養」として学び続けられるような日本史のテーマを、「発見」出来るようにすること。

成績評価の方法および基準

・日本の大学の単位修得が容易過ぎるとの批判を受けて久しいが、この授業では、成績評価を厳格に実施する。
・そのための具体的な方法は、以下の通りである。
  ①複数回の講義内試験40% 中間試験30% 最終試験30%を基準とする。
  ②レポートを課した場合、レポートの期限までの提出が、平常点に加味される。
   *レポートの課題は、インターネットでのコピーによる安易な作成を防ぐために、高橋が配布した文献の内容に関する解答を中心としたものとなる。レポートは指定した講義日の開始時に回収する。
  ③出席は単位認定を担保するものではない。つまり、皆勤であっても試験等の成績が悪ければ単位の認定は難しい。
  ④講義時の態度も、単位認定および成績評価に反映される。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『図解日本史』野島博之監修成美堂出版
教科書『詳説日本史図録』詳説日本史図録編集委員会山川出版社
参考文献取り上げる論点とテーマが広範囲に及ぶので、参考文献については、各回ごとに必要に応じて紹介する。

準備学修の内容

・高度に専門的な著作物を読む必要はないが、新聞、テレビのニュース、雑誌その他の媒介物などで、日本史に関する問題が取り上げられているかどうかを確認し、取り上げられていた場合は目を通しておくこと。特に写真集などで日本史上の建築物、絵画、遺跡などに触れていて貰いたい。
・高校で日本史を選択した方は、教科書を再読したり問題集を解いたりして、現段階での自分の日本史の知識範囲や理解度を、ある程度、確認してほしい。教科書がつまらないという方は、現代新書、中公新書、PHP新書、文春新書などの新書類から、自分の興味のある時代の物を読むことも有益な事前準備となろう。
・この授業では、私語を慎み、分からない部分が多くても、将来の自分への自己投資と思って我慢強く講義に望むことを、自分に言い聞かせること。

その他履修上の注意事項

*なお、このシラバスの記載内容とは、多少異なる形やテーマで、実際の講義が進む可能性もあることを、了解されたい。
①「おしゃべり」「電話」は厳禁とする。した場合この講義の履修を事実上「放棄」したものとみなし、即座に教室から退室してもらう。
②受講態度=遅刻、私語、内職、講義の途中退室、やる気のない態度や姿勢(イヤホンやヘッドホンを着用し、椅子にだらしなく腰掛けるなどその他)の悪い学生、真面目に事業を受けようとしている学生諸君の気力に水を差すような言動をする学生については、受講を認めない。
③試験は講義内容を踏まえ、じっくり考え、論理的に論述するような問題となるので、遅刻や欠席が多いと単位は不可能なので、この点も考えて受講を決めて貰いたい。因み三昨年度の本科目の単位非認定率はおおよそ50%で、「落単」科目である。
④インターネット上で本学の評価を調べ、そこに書かれている内容を自分なりに考えて貰いたい。受講学生である諸君一人一人の態度や姿勢が、帝京大学の「今と将来」の社会的「評価」を決定することを肝に銘じてほしい。
⑤大学の授業は高校の授業の延長では無いので、その積もりのレベルと内容の講義をするので、心得ていて貰いたい。
⑥抜き打ちでの出席調査、小試験を実施する際に、授業を抜け出した友達に、スマホ・携帯・LINEを使って連絡をすることは、認めない。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス(講義内容の説明、守るべき規範事項の説明、講義の進め方その他)+授業「なぜ日本史を、そして歴史を学ぶのか」
第2回徳川家康の台頭と関ヶ原の合戦
第3回江戸幕府の成立と豊臣家の滅亡
第4回幕藩制国家とは何か
第5回禁教と鎖国の時代
第6回江戸時代の経済と都市をめぐる諸問題
第7回三大改革と一揆・打ちこわしの時代
第8回異国船の出没と安政の五カ国条約
第9回幕末の争乱と明治新政府への道のり
第10回明治時代の諸相
第11回日清戦争・日露戦争・第一次世界大戦
第12回大正デモクラシーと自由民権運動
第13回第二次世界大戦前後の日本
第14回戦局の悪化と敗戦への道
第15回まとめ(「暗記する歴史」から「考える歴史」)へと「試験」
注意:試験は定期試験期間での実施もあり得る