東洋法制史Ⅱ
担当者赤城 美恵子
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2018年度以降]
科目ナンバリングFUL-210

授業の概要(ねらい)

 中国は長い歴史を持っています。その中でも、秦の始皇帝が中国を統一し皇帝を称してから(前221年)、清の最後の皇帝である溥儀が退位するまで(1912年)のおよそ2000年間、ひとり皇帝が支配する帝制がとられてきました。そこでの法制度は、我々が日頃学んでいる現代日本の法制度とは驚くほどに異なっています。社会が異なれば法も異なるというよい例であると思います。この講義では、このような現代の日本とは時間的にも空間的にもかけ離れた帝制中国の法制度を学びますが、それによって、比較法的視野を養い、現代日本の法制度を深く理解する手掛かりとなると思います。
 秋期の「東洋法制史Ⅱ」では、帝制中国の実体法について、特に家族法、財産法、刑法の分野を取り上げて講義します。

授業の到達目標

 ①東洋法制史に関するある程度応用的な知識を獲得し、そこでの様々な法・法制度やその背景を理解することができる。
 ②帝制中国の家族法、財産法、刑法の各分野における様々な法理について、何故そのような仕組みとなっているのか、その背景も含めて理解することができる。

成績評価の方法および基準

平常点(10%)及び期末試験(90%)

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書テキストは使用しません。必要に応じて資料を配付します。
参考文献『中国家族法の原理』滋賀秀三創文社
参考文献『史料からみる中国法史』石岡浩・川村康・七野敏光・中村正人法律文化社
参考文献『中国法制史』寺田浩明東京大学出版会

準備学修の内容

参考書として指示した文献関係箇所を読んでおくこと。

その他履修上の注意事項

おそらく、耳慣れない用語・概念が頻出することと思います。随時解説しますが、受講者のほうでも一方的に解説を聴くだけではなく、抱いた疑問点をそのままにせずに、積極的に質問し、講義に参加してください。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス――授業の進め方
第2回家:同居共財と家産分割
第3回家:父の権限
第4回家:その他の構成員
第5回家:親属の範囲
第6回財産:土地の売買
第7回財産:租佃契約(地主・小作の法律関係)
第8回財産:所有のあり方
第9回財産:土地の私的所有と国家
第10回刑法:老幼者及び障碍者の扱い
第11回刑法:正当防衛
第12回刑法:過失
第13回刑法:錯誤
第14回刑法:共犯
第15回まとめ