担当者 | 中村 晋教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [初等教育学科 初等教育コース] | |
科目ナンバリング | ESS-216 |
インクルーシブ教育の理念を基本におき、学習上又は生活上の困難のある幼児・児童一人一人が、学ぶ場の如何に関わらず授業や学習活動に参加している実感及び達成感を持ちながら学び、生きる力を身につけていくことができるよう、幼児・児童の学習上又は生活上の困難性を理解する。
その上で個別の教育的ニーズに対して、他の教員及び関係機関と連携しながら組織的対応していくために必要な知識及び支援方法を理解できるよう、理論的背景だけではなく、特別支援教育の実態を紹介することで、様々な指導事例を基に支援のあり方を学ぶ。
(1)通常の学級に学ぶ発達障害を含む特別の支援を要する幼児・児童の特性並びに心身の発達を理解する。
1)インクルーシブ教育の理念を含めた特別支援教育に関する制度及び法令の内容を説明できる。
2)発達障害を含む特別の支援を要する幼児・児童の障害並びにそれを伴う特性を例示することができる。
3)発達障害を含む特別の支援を要する幼児・児童の心身の運動発達、言語発達、認知発達、社会性の発達を基に心理的特性並びに学習の過程を説明することができる。
(2)通常の学級に学ぶ発達障害を含む特別な支援を要する幼児・児童に対する教育課程並びに教育的支援の方法を理解する。
1)発達障害及び軽度知的障害をはじめとして、通常の学級における支援及び特別支援学校等に学ぶ幼児・児童の視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、及び病弱の各障害において特別な支援の方法を例示することができる。
2)「通級による指導」及び「自立活動」の教育課程上の位置付け並びに内容を理解している。
3)特別支援教育に関する教育課程の枠組みを踏まえて、「個別の指導計画」及び「個別の教育支援計画」を作成する意義並びに方法を理解している。
4)特別支援コーディネーター、関係機関及び家庭と連携しながら支援体制を構築することの必要性を理解している。
(3)障害はないが特別な教育的ニーズのある幼児・児童の学習上又は生活上の困難とその対応を理解している。
・母国語や貧困の問題等による特別な教育的ニーズのある幼児・児童に関する実態把握の方法並びに組織的な対応の必要性を理解している。
レポート課題30%、及び授業内試験70%により総合的に評価する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 文部科学省 幼稚園教育要領(平成29年3月告示) 幼稚園教育要領解説(平成30年2月) 小学校学習指導要領(平成29年3月告示) 小学校学習指導要領解説総則編(平成29年7月) 特別支援学校学習指導要領(平成29年4月) | ||
参考文献 | 小林秀之・米田宏樹・安藤隆男編「特別支援教育–共生社会の実現に向けて–」ミネルヴァ書房(2018年) |
教育法令(教育基本法、学校教育法、学校教育法施行規則)及び上記参考書を通して、特別支援教育の法的根拠の修得に努める。毎授業で得られた知識及び考えを整理し、疑問点やさらに理解を深めたいことについてまとめる。
幼稚園や小学校、特別支援学校等の公開保育や公開授業(土曜日実施)を積極的に参観し、支援の必要な幼児児童の実態と教員の教育的対応の実際を見るように努めてほしい。
回 | 授業内容 |
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第1回 | <到達目標(1)–1)、(2)–4)> 特別支援教育の制度(1) 特殊教育から特別支援教育への転換の歴史 「特別支援教育の推進について(通知) 特別支援教育の理念、校内体制、教員の役割・職務、研修及び専門性の向上、関連機関との連携 |
第2回 | <到達目標(1)–1)> 特別支援教育の制度(2) 特別支援教育に関する法令等 学校教育法、学校教育法施行令、学校教育法施行規則、各学習指導要領等 |
第3回 | <到達目標(1)–3)> 5障害(視覚、聴覚、知的、肢体不自由、病弱)の理解 5障害(視覚、聴覚、知的、肢体不自由、病弱)の概念と定義 各障害による学習上・生活上の困難と教育的対応の実際 |
第4回 | <到達目標(1)–2)> 発達障害の理解(1) 発達障害のある幼児・児童の概念と定義及び行動特性・心理特性と二次障害 |
第5回 | <到達目標(1)–2)> 発達障害の理解(2) 発達障害のある幼児・児童の学習過程の特性と教育的対応(合理的配慮) |
第6回 | <到達目標(2)–2)> 障害のある幼児・児童の教育課程の編成 障害のある幼児・児童への対応と特別の教育課程 「通級による指導」「自立活動」の教育課程の位置付け |
第7回 | <到達目標(2)–1)3)> 障害のある幼児・児童の「個別の指導計画」の作成(1) 通常の学級における実態把握とその方法 認知的特性と環境のアセスメント及び合理的配慮 |
第8回 | <到達目標(2)–1)3)> 障害のある幼児・児童の「個別の指導計画」の作成(2) 通常学級における目標設定と教育内容及び「個別の指導計画」の作成例 |
第9回 | <到達目標(2)–1)2)3)> 障害のある幼児・児童の「個別の指導計画」の作成(3) 「特別支援学級」「通級指導教室」の教育課程と学習活動の展開 |
第10回 | <到達目標(2)–1)3)> 障害のある幼児・児童の「個別の指導計画」の作成(4) 評価と指導計画のあり方と配慮点 |
第11回 | <到達目標(2)–3)4)> 障害のある幼児・児童の「個別の教育支援計画」の作成 本人、保護者の自己選択・自己決定の重視 学校と関係機関との連携と特別支援コーディネーターの役割 |
第12回 | <到達目標(3)> 障害はないが特別な教育的ニーズのある幼児・児童の実態と支援(1) 障害はないが特別な教育的ニーズのある子どもとは(グループ討議) 子どもたちの相互理解と「交流及び共同学習」の意義 |
第13回 | <到達目標(3)> 障害はないが特別な教育的ニーズのある幼児・児童の実態と支援(2) 学校生活への適応が困難な帰国子女や外国籍の幼児・児童の心理的特性と支援 |
第14回 | <到達目標(3)> 障害はないが特別な教育的ニーズのある幼児・児童の実態と支援(3) 不登校、学齢を経過した者及び貧困など家庭環境に問題のある幼児・児童の学習支援 |
第15回 | <到達目標(1)–1)> まとめと試験 教員・社会人・保護者としての特別支援教育との関わり |