担当者 | 藤澤 明教員紹介 | |
---|---|---|
単位・開講先 | 選択必修 2単位 [史学科] | |
科目ナンバリング | CAS-204 |
文化財が製作された背景には、構成する材料が入手可能であること、加工する道具があること、加工する技術があること、流通や販路が確保できていることが不可欠です。よって、文化財を対象に自然科学的手法を用いて研究することで、作られた当時の歴史的、文化的、民俗学的、技術的背景を明らかにできることがあります。
本授業では、これまでに文化財の科学的研究によってどんなことが分かって来たのか、研究事例や論文を通して紹介します。科学的内容を含みますが、理系的な研究の手法を学ぶことで、史学研究との接点を深める機会になることを期待します。
史学的研究や考古学的研究と自然科学的研究の接点を学び、他分野にまたがる研究の必要性について理解することを目標とします。
中間レポート(30%)と期末テスト(70%)で評価します。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
---|---|---|---|
教科書 | |||
参考文献 | 文化財のための保存科学入門 | 京都造形芸術大学編 | 角川学芸社 |
参考文献 | 科学が解き明かす古代の歴史 | 沢田正昭編 | クバプロ |
材料科学には、元素記号や化学式を理解する必要があります。それら理科分野の記号について各自勉強してください。勉強方法は授業内で指示します。
美術史・文化遺産特殊講義4C-Ⅰを履修した後に本授業の履修をおすすめします。ⅡはⅠを基礎とした発展的内容となります。
回 | 授業内容 |
---|---|
第1回 | 文化財研究概論 |
第2回 | 原子の構造と元素記号 |
第3回 | 化学式と化学反応論 |
第4回 | 文化財を科学する |
第5回 | 年代測定の種類とその問題点 |
第6回 | 産地同定の種類とその問題点 |
第7回 | 古環境の科学的評価 |
第8回 | 技法材料調査―金属器― |
第9回 | 技法材料調査―壁画や絵画― |
第10回 | 伝統技法の解明―鉄鋼材料― |
第11回 | 伝統技法の再現検討―非鉄材料― |
第12回 | 日本における金属器の保存修復研究 |
第13回 | 日本における木器の保存修復研究 |
第14回 | 文化財環境の科学的評価 |
第15回 | 自然科学調査による最新の成果 |