入門マクロ経済学Ⅰ
担当者落合  宏教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [政治学科]
科目ナンバリングECT-103

授業の概要(ねらい)

 例えば、自分の住んでいる経済について、景気が良いとか悪いといった評価で語られることを耳にしたことがあると思います。また、世界には著しく経済が成長している国もあればそうでない国もあります。このように景気が良くなったり悪くなったり、国によって経済成長に差が生まれてくるのは何故でしょう。景気ですとか経済成長という経済現象は一国全体の経済活動の集計量を扱っているわけですが、このような集計量の時間を通じた変動を解明する経済学の分野がマクロ経済学です。本講義ではマクロ経済学の学習を通して上記のような問題を考える上での基本的な分析枠組みを修得することを目的としています。
 またマクロ経済学で扱うGDP、インフレ(あるいはデフレ)、失業等は経済学の専門書籍や政府が公表する文書だけではなく、メディアでも頻繁に取り上げ論じられています。これらの概念の理解は、将来、みなさんが就職して社会人生活を送る上でも、大きな助けとなってくれるはずです。

授業の到達目標

・GDPや物価、失業等、日常生活でも触れることの多いマクロ経済変数の意味を正確に理解する。
・上記の経済諸変数がどのようなメカニズムで変動するのか基本的な考え方を理解する。

成績評価の方法および基準

小テスト(30%)と期末テスト(70%)で評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『経済学Ⅱ マクロ編』(第4版)グレゴリー・マンキュー東洋経済新報社 2019年
参考文献

準備学修の内容

予習は各回の授業内容を参考にテキストで該当箇所を読み、予め疑問点を整理しておくことが望ましいです。復習は授業中に出題された練習問題(小テストを含む)を通して理解が浅いと判断した部分を重点的に学習すると効率的です。

その他履修上の注意事項

・マクロ経済学はミクロ経済学で学習する内容(例えば、市場均衡分析)とも深く関わってきます。したがって、入門ミクロ経済学の授業を履修するなどしてミクロ経済学の知識を習得しておくことが望ましいです。
・経済学の本は数学や図を使用することが多いです。計算問題を解く際はもちろんのこと、教科書を読む際にも実際に自分で紙に計算を書き、図を描き、論旨を確かめながら読み進めてください。
・現実経済に対する深い問題意識があって初めて経済理論の学習が意味を持ってきます。したがって、日ごろから新聞を読むなどして時事問題には関心向けておいてください。

授業内容

授業内容
第1回講義ガイダンス
第2回国民経済計算の基礎:国内総生産(GDP)の測定と構成要素
第3回国民経済計算の基礎:三面等価、実質GDPと名目GDP
第4回国民経済計算の基礎:物価指数、GDP指標の限界
第5回貯蓄と投資:貯蓄と投資の均等、貸付資金市場
第6回ファイナンスの基礎知識
第7回失業:失業の識別
第8回失業:労働組合と団体交渉、効率賃金、最低賃金
第9回小テスト
第10回貨幣と中央銀行:貨幣と中央銀行制度
第11回貨幣と中央銀行:中央銀行による資金供給メカニズム
第12回貨幣とインフレーション:貨幣市場の均衡
第13回貨幣とインフレーション:貨幣の中立性
第14回貨幣とインフレーション:インフレーションがもたらすコスト
第15回復習