担当者 | 難波 美芸 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [日本文化学科] | |
科目ナンバリング | CUA-101 |
文化人類学はフィールドワーク(実地調査)に基づき、文化の多様性の視点から人間の生について考える学問である。本講義では、文化人類学の基礎的な考え方と語り口を、世界各地の具体的な事例を通して学んでいく。受講生は、本講義を通じて様々な文化現象と触れる中で自らの偏見に満ちたまなざしに気づき、「異質な他者」だったはずの人々をより身近に感じたり、あるいは一見身近な文化・慣習が突如として異質なものに感じられる機会を得るだろう。「私たちが生きるこの世界とはなんなのか」を考え、「こうではないかもしれない世界のあり方」を想像するための姿勢を体得することが本講義の目的である。前期の講義では、まず文化という概念の変遷を辿り、後半では「つなぐ」「断つ」という人間の営みを通して人類学の理論を学んでいく。
・身近な現象からグローバルな問題まで、文化人類学的な視点から批判的に「問う」力を獲得する。
・授業で学んだ概念を用いて、様々な文化現象や社会問題について考え、自分の意見を持つ。
・自らが異文化に対してもつステレオタイプや先入観に気づき、そのようなステレオタイプが生み出される背景について他者に説明できるようになる。
平常点(コメントペーパー):30%
期末試験:70%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | 人類学的思考の歴史 | 竹沢尚一郎 | 世界思想社 |
授業内で提示される参考書の各章を読み、授業内容の理解を深める。読解の速度にもよるが60分ほどの学習が求められる。
講義内容の録音、板書の撮影、配布物のコピーと無断配布は著作権侵害になるため、原則として禁止する。特別な事情がある場合は教員に直接相談し許諾を得る(e.g. 利き手を骨折して板書をノートに写せない、講義内容の録音記録を用いて自宅学習に用いたい等)。
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション:授業の進め方、評価基準についての説明 |
第2回 | 文化とは何か① 進化主義と伝播主義:〇〇文化の「起源」とは? |
第3回 | 文化とは何か②文化とパーソナリティ:「〇〇人は怒りっぽい、××人は穏やか」? |
第4回 | 文化とは何か③文化相対主義:「よそはよそ、うちはうち」では解消されない問題群 |
第5回 | 文化とは何か④文化批判:他文化と自文化の境界はどこか? |
第6回 | つながる①親族論・婚姻論:どこまでが家族か? |
第7回 | つながる②贈与交換:「タダより高いものはない」? |
第8回 | つながる③負債論:「金の切れ目は縁の切れ目」? |
第9回 | つながる④ネットワーク:人とモノのつながり |
第10回 | 断つ①境界を引く:センザンコウの世界 |
第11回 | 断つ②民族境界論:境界を引くから違いが生まれる |
第12回 | 断つ③通過儀礼:ハタチになったら大人か |
第13回 | 断つ④ネットワークを切る:著作権、体外受精 |
第14回 | 総括:まとめと試験対策 |
第15回 | まとめと期末試験 |